4スタンス理論-あなたの軸はどこ?怪我が多い人の共通点

4スタンス理論

 

イチロー選手と松井秀喜選手とのフォームの違い、サッカーではベッカム選手とロナウジーニョ選手とのキックフォームの違い、ご存知ですか?

軸と関節の動き方が違います。間違ったカラダの使い方は、ケガの原因になります。重心軸や回転軸は人によってまちまち。違う軸タイプを真似しても、怪我のリスクが増えるだけです。パフォーマンスを上げ、怪我のリスクを減らすために、4スタンス理論による軸のチェックしてみましょう!

運動軸とは?

歩く、走る、飛ぶ、蹴るなど身体を動かすときは、体の中に重心や回転する軸ができます。

軸は全身の関節と連動しています。軸がブレると、あなた本来の関節の動きができません。一部の関節や筋肉に極度な負担がかかることで、怪我のリスクが上昇します。軸が変われば、支点ポイントも異なるためパフォーマンスに影響がでます。4スタンス理論では、軸のポイントを6つあげています。

4スタンス理論5つの軸ポイント!

4スタンスABタイプ

  1. 首の付け根(Bタイプ)
  2. みぞおち(Aタイプ)
  3. 股関節(Bタイプ)
  4. ひざ(Aタイプ)
  5. 足底つま先寄り(Aタイプ)
  6. 足底かかと寄り(Bタイプ)

正しい軸をつくることで、体は安定し、パワーやスピードを無駄なく伝えることができます。この軸がブレるとバランスを崩したり、可動域が変わったり、関節に負担が増えたりします。

6つのポイントのうち、5と6の足底が地面との接点のため軸の基点となります。

すべての人は4タイプに分類される!

つり革を握る同じタイプの人は、すべての関節が同じ動作特性をもちます。

例えば、手さげカバンや電車のつり革を指の第2関節に引っ掛ける人は、うちわで扇ぐときに手首を使います。これはAタイプの特徴でほぼ例外なくこの動作をします。Bタイプは、カバンやつり革を手のひらで握ります。うちわは肘を使って扇ぎます。

さらにAとBは、それぞれ2つに分類されます。これは先天的なもので、トレーニングで変わることはありません。また遺伝との因果関係もないとされています。

有名選手のタイプ例

A1タイプ イチロー選手(野球)、ダルビッシュ(野球)、マイケル・ジョーダン(バスケットボール)、アダム・スコット(ゴルフ)、石川遼(ゴルフ)
A2タイプ ロナウジーニョ(サッカー)、アンドレ・アガシ(テニス)、タイガーウッズ(ゴルフ)、浅田真央(フィギアスケート)、宮里藍(ゴルフ)、大阪なおみ(テニス)
B1タイプ 野茂英雄(野球)、ティエリー・ダニエル・アンリ(サッカー)、マジック・ジョンソン(バスケットボール)、福原愛(卓球)、有村智恵(ゴルフ)
B2タイプ 松井秀喜(野球)、田中将大(野球)、ロジャー・フェデラー(テニス)、レティーフ・グーセン(ゴルフ)、横峯さくら(ゴルフ)

イチロー選手の独特なフォームを、多くのコーチが矯正しようとしました。しかしイチロー選手は、自分のフォームを一切変えなかった話は有名です。一流選手の共通点は、自分のカラダの使い方を本能的に熟知しています。それによって高いパフォーマンスと、怪我をしない身体を手に入れているのです。

4スタンス理論のタイプ・チェック法!

4スタンス足裏の分類

  • A1タイプ:足底の基点が前の内側
  • A2タイプ:足底の基点が前の外側
  • B1タイプ:足底の基点が後の内側
  • B2タイプ:足底の基点が後の外側

AタイプとBタイプのチェック法!

4スタンス理論では、Aタイプは体の前側に、Bタイプは体の後側に軸(重心&回転)があります。

①しゃがみ込み方でチェック!

4スタンス しゃがむ

スクワットの要領で、腰を落としていきます。このときお尻を落とすタイプと膝を曲げるタイプに分かれます。

Aタイプ:お尻を後方へ突き出し股関節を曲げながら沈み込みます。
Bタイプ:膝を前に突き出し、お尻を垂直に沈み込ませます。

②ひざを抱え込み方でチェック!

4stance-katahiza

あお向けに寝て、片膝を両手で抱え込み、ゆっくりと身体に引き寄せる。

Aタイプ:ひざのやや下を両手で抱え込む!
Bタイプ:ひざの裏側(太もも)を両手で引き寄せる!

③ひざ上げ方でチェック!

4スタンス ヒザ上げ

立ちながら片ひざを上げるとき

Aタイプ:ひざを意識して上げるイメージ
Bタイプ:かかとを押し上げるイメージ

④立ちながらの前屈でチェック!

4スタンス 前屈

両手の平を脚の前面に沿わせて前屈、両手の平を脚の後面に沿わせて前屈

Aタイプ:前面の方が深く前屈できる
Bタイプ:後面の方が深く前屈できる

⑤両手を広げ回転させてチェック

脚を肩幅に開き、左右に両手を広げて回転させる

Aタイプ:手先を水平(90度)に伸ばしたほうが稼動域が広い
Bタイプ:手先を斜め下(45度)に向けたほうが稼動域が広い

1タイプと2タイプのチェック法!

4スタンス理論では、1タイプは体の内側に、2タイプは体の外側に軸(重心&回転)があります。

①コップを持ってください!

1タイプ:人差し指と中指に力が入ります。
2タイプ:薬指と中指に力が入ります。

②肩幅に脚を広げます。

テスト1:パートナーに膝の内側を手で押さえてもらい、あなたは膝を内側に閉じてください。
テスト2:パートナーに膝の外側を手で押さえてもらい、あなたは膝を外側に開いてください。

1タイプ:テスト2よりもテスト1の方が力が入る。
2タイプ:テスト1よりもテスト2の方が力が入る。

軸を安定させる栄養素!

4スタンス理論で正しい軸を知ることで、怪我のリスクは大幅に減少します。しかし突然バランスを崩すこともあります。それを支えるのは靭帯や筋肉の役目です。

大きな動きでバランスを崩すと、回転軸がズレて大怪我の原因になります。関節はバランスをとろうとしますが、靭帯が支えきれず悲鳴を上げることがあります。スポーツで同じ靭帯を何度も傷める人がいます。それはその人の関節の本来の動きをしていないことが考えられます。

筋力があるほど、バランスを崩したときの靭帯への負担は大きくなります。もしも靭帯を痛めると、今まで頑張ってきたあなたの努力と、大切な時間がすべて無駄になってしまいます。

その靭帯に強度をつけるには、2つのポイントがあります。

1つは日々適度なテンション(運動による圧力)をかけることです。使い過ぎで疲労させることもありますが、使わないことでも脆弱化します。2つめは靭帯成分である栄養をしっかりと摂ることです。靭帯の90%は繊維状のタンパク質である「ファイバープロテイン」で構成されています。靭帯はファイバープロテインの中でも、Ⅰ型コラーゲンエラスチンを主成分としています。

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まとめ

  • 4スタンス理論では、軸のタイプを4つに分けられます。
  • 重心や回転の軸を正しく使うことで、パフォーマンスをあげ怪我のリスクを減らせます。
  • 全てのひとは4タイプの軸に分けられ、それにより体の使い方が変わります。
  • 軸は支点である関節はファイバープロテインで強くすることができます。

参考文献/4スタンス 著者:廣戸聡一 池田書店、ゴルフ4スタンス理論 監修:廣戸聡一 池田書店、

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