カーボローディングのメニューで失敗する4つの注意点!

炭水化物

カーボローディングのメニュー調整に失敗すると、想定外の早いタイミングでエネルギーが枯渇してしまいます。

カーボローディングの調整ミスが原因で、マイナス効果になるのです。それは「練習メニュー」と「食事メニュー」に集約されますが、その中でも意外と気づかない4つの落とし穴、成功する3つのポイントをご紹介!

カーボローディングのメリット

持久力系スポーツ

マラソンや自転車ロードレース、トライアスロンやトレイルなどの持久力スポーツでは、カロリーのコントロールが勝敗を分けます。

持久力系スポーツ選手にとって、糖質の補給量を増加させるカーボローディングは、大きなメリットがあります。蓄えられる糖質量が2~3倍となれば、やらないのは損ですよね!

  • グリコーゲン(糖質)1g=カロリー4kcal
  • ラン1km=カロリー1kcal/体重1kg

貯蔵できる糖質量(ブドウ糖量)が100g増えれば、カロリーを400kcal得ることができます。走行距離にすると6~7km(体重60kgの場合)のエネルギーに相当します。しかもカーボローディングで得られる増加量は400g~1000gにもなるので、そのメリットは計り知れません。

失敗する4つの注意点!

メリット多いカーボローディングですが、失敗するケースもあります。もっとも多いのがメニューの選択が間違っているケースです。持久力を高めるカーボローディングが、反対に持久力を低下させては意味がありませんよね!

失敗しないために、食事メニューと運動メニューにおいて4つの注意点があります。1つは想定外の体重や脂肪の増加です。2つめは炭水化物以外の栄養成分が不足することで、エネルギーの代謝力が低下するケースです。3つめはカーボローディング前に行った減量で、疲労や筋肉減少が起こっているケースです。4つめは試合直前の練習による疲労の蓄積です。

失敗1:体重が予想外に増加!

体重計

カーボローディングによって体重が増加します。

グリコーゲンは3倍の水分と結合します。仮に300ℊのグリコーゲンを余分に蓄えると1200gの体重増ですね。

ランナーなどの持久系アスリートにとって、1キログラムの体重増の影響は小さくはありません。しかし、それを上回る効果が期待できるのも事実です。

しかし問題は、想定した以上の体重増になってしまうことです。カーボローディング前のダイエットで、高糖質食により想定以上のリバウンドを起こすことがあります。食べ過ぎてしまうことも!

またタイミングが合わず、グリコーゲンが脂質化することもあります。グリコーゲンは一時的な貯蔵状態なので、1~2日ほどで代謝に時間のかかる脂肪に変えられてしまう恐れもあります。いずれのケースでも、食事メニューや運動メニューの選択ミスとタイミングの失敗です。

正しい高炭水化物の摂取量

最近のカーボローディングでは、レースの4日前までは通常の食事メニューを行います。3日前から高炭水化物の食事に切り変えます。通常の食事メニューでは50~60%の炭水化物の摂取を行っていると思いますが、その量が少なすぎると、疲労回復が遅れたり筋肉の減少をまねいたりします。

ごはん茶碗一杯

高炭水化物の食事法では、炭水化物の摂取量を70~80%以上にします。日頃食べる炭水化物量の3~4割増しですね!カーボローディングに適した炭水化物は、ごはん、パスタ・うどん・パンなどの小麦粉系、じゃがいもやサツマイモなどのデンプン系です。

その量をごはんでザックリ換算すると、お茶碗3~4杯分のプラスです。

失敗2:ミネラル・ビタミン不足!

ビタミンミネラル源

レースの3日前から、高糖質食(炭水化物70%以上)メニューが中心になります。すると忘れられるのがミネラルとビタミンです。微量な栄養ですが、極論的にはミネラルとビタミンが枯渇すると、すべての代謝機能が停止します。

体内では栄養が使われる優先的が決まっています。脳や心臓などの生命維持機能がもっとも優先順位が高く、スポーツによる骨格筋への栄養供給は一番後回しになります。そのため微量なミネラルやビタミンは枯渇しやすく、運動能力が真っ先に影響を受けます。

ミネラルが不足すると

カーボローディングで、とても大切なのが「ミネラル」です。代表的ミネラルはカルシウム、カリウム、ナトリウム、鉄などありますが、ともに持久力には必要不可欠な成分です。特に汗をかくことで流出しやすい栄養なので、運動時は通常以上の摂取が必要です。

カルシウムは骨の成分のほか、心臓を動かすためにも使われる成分です。カリウムやナトリウムが不足すると、筋肉の収縮と弛緩がスムーズにできなくなり、筋肉の痙攣を起こしやすくなります。また鉄は血液内で酸素を運搬する役割がありますので、不足すると細胞への酸素供給量が低下します。

ビタミンが不足すると

さらに「ビタミン」もカーボローディングには必須な成分です。ビタミンはエネルギー代謝に欠かせない補酵素としての役割があります。特にビタミンB類が不足すると、糖質や脂質をエネルギー(ATP)に変換(代謝)するクエン酸回路の機能が低下します。つまりビタミン類が不足すると、エネルギーの産生量低下が起こります。

小まめな補給が重要!

エイドステーション

カーボローディングでは、炭水化物だけを意識せずに、ミネラルやビタミンが摂取できるメニュー構成が重要です。

またビタミンは体内に長く留まれません。ミネラルは微量なため汗で流出すると一気に不足します。そのため運動中は、小まめに摂取することを心がけましょう。

マラソン時には、5キロごとの補給所でとることで、エネルギーの代謝を促進させ、カーボローディングの効果を長く得ることができます。

失敗3:ダイエットの調整不足!

持久力を高めるに、体重を落とすことが良くあります。しかしダイエット方法やタイミングを間違えると、カーボローディング効果にとって大きなマイナスになります。

ダイエットによって低血糖状態になると、疲労回復が遅れたり、筋肉が減少したりする副作用が起こります。古典的なカーボローディングが失敗した理由もここにあります。いくら食事メニューや練習メニューをしっかりやっても、減量のタイミングを間違えると、カーボローディングの効果が激減します。

低血糖状態で運動をして糖質を枯渇させてしまうと、その回復に3日ほどかかります。その間に運動すると更に長期化して、完全回復をしないまま試合を迎えることになります。また筋肉量が減少することで、グリコーゲンを貯蔵庫のキャパが低下します。元も子もない話ですよね。

ダイエットをする場合は、少なくても試合の2週間前(余裕をもって1ヶ月)までには完了してください。それ以降は体重を維持するようにチェックが必要です。安易に体重を落とさないことが大切です。

失敗4:直前の練習量!

カーボローディングでなくても、1週間前から練習量を減らすのが基本的なメニューです。意外と疲労が蓄積しているものです。当日にベストコンディションにするには、簡単な調整程度に留めましょう。

気持ちの焦りから、直前まで練習する選手がいますが、いい成績は望めません。特に持久力系スポーツでは、後半に勝負の山があるので、試合の2~3日前には完全に休憩をする余裕をもちましょう。

成功する2つのポイント!

カーボローディングで成功するには、失敗する方法の逆をやればいいことですよね。それは正しい「練習メニュー」と「食事メニュー」を行うことです。

練習メニュー2つの視点

練習メニューでは「練習量の調整」と「休養の確保」が重要な視点です。

試合の2~3日前には練習メニューを調整して、思いきって休むことも大切です。持久戦は普段気づかない疲れが、後半に悪影響を及ぼすことがあります。休養もトレーニングメニューの一環です。

少なくても1週間前からは運動量を調整しましょう。トレーニング量を普段の半分以下に抑えて、1週間かけて徐々に練習量を減らしてください。ある程度のトレーニングをした場合は、試合の2~3日前には完全休養することも大切です。

食事メニューの2つの視点

食事のメニューでは、レースの1週間前から試合直前までと、レース中の栄養補給が重要な視点です。

炭水化物、ビタミン、ミネラルは、レース中もしっかり補給しましょう。特にビタミンとミネラルは汗による流出と、エネルギー代謝によって大量消費されます。枯渇すると体が動かなくなります。

もっともポピュラーが摂取方法は「バナナ」です。高カロリーであるとともに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルや、ビタミンB類を多く含んでいます。

また水分の補給も忘れないようにしましょう。水分量が減ると血液の循環が悪くなり、それらの栄養成分の供給量が低下します。

前に戻る☞ 「カーボローディング 超持久力を生み出すメカニズム!

カーボローディングで失敗しないまとめ

カーボローディングで、レース当日ベストコンディションにするには

  • 7日前から練習メニューを調整して運動量を減らす
  • 試合の3日前から高炭水化物の食事メニューにする
  • ミネラルやビタミン摂取を日常的なルーティンにする
  • 減量のやり方とタイミングには充分気をつける
  • 試合直前には思い切って休養する

≪その他のお役立ち記事≫

この記事に関するキーワード

コメント

「カーボローディングのメニューで失敗する4つの注意点!」に対する3件のコメント