コラーゲンが合成される体内メカニズム!

collagen

コラーゲンを食べると、体内でコラーゲンが合成される!?

「コラーゲンを食べたり飲んだりしても、それがコラーゲンになるとは限らない!」という時代がありました。しかし多くの研究者の努力によって、それが誤りであることが証明されたのです。スポーツ機能の鍵になるコラーゲン(繊維状タンパク質)が、体内でどうように合成されるのでしょうか。 

生体内コラーゲン

コラーゲンの特徴

コラーゲンは、皮膚、骨、軟骨、腱、じん帯、歯、血管、筋膜(漿膜)、細胞外基質など、線維質や膜質を構成するタンパク質で、タンパク質全体の30%を占めます。(出典「コラーゲン」1994 藤本大三郎)

コラーゲンが多い器官(%/乾燥重量)
有機物の割合 皮 膚  腱  軟 骨 靭 帯 大動脈  骨  象牙質
コラーゲン 71.4 85.3 52.5 16.4 29.5 25.6 20.2
エラスチン 1.7 5.3 0 75.3 33.8 0 0
プロテオグリカン 5.7 2.6 32.8 1.2 4.2 0.2 0.6
無機物 2.9 1.3 4.9 1.2 2.9 72.2 77.5

その構造は、繊維状あるいは膜状で、水に溶けない状態で存在しています。3本のポリペプチド鎖(アミノ酸が50個以上結合したもの)がらせん状に絡み合い、それを補強するために架橋によって結合されます。まるでロープやワイヤーのような構造で、強靭さを生み出しています。

また細胞外基質(細胞間物質または細胞外マトリックスともいう)として、細胞同士を結びつけ、細胞へ酸素や栄養を供給し、細胞の老廃物を毛細血管に届ける働きもしています。 

コラーゲンを合成するアミノ酸

コラーゲンはタンパク質の一種(繊維状タンパク質、ファイバープロテイン)ですから、アミノ酸が集まってできた構造をしています。そのアミノ酸組成は、他の球状タンパク質と大きく異なります。

コラーゲンは30種類ほど発見されていますが、その9割以上はⅠ型コラーゲンです。アミノ酸組成は、グリシン残基が30%を占め、プロリンとヒドロキシプロリン残基を合わせて21%、アラニン残基が11%とかなり偏った構成となっています。またコラーゲン特有のアミノ酸として、ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジン残基があり、それがコラーゲンを食べることで、体内でコラーゲンが作られる論拠になっています。 

コラーゲンはどこで作られる?

コラーゲンは細胞内で、その前駆体が作られます。その細胞とは、線維芽細胞、骨芽細胞、軟骨芽細胞、象牙芽細胞、繊維随伴細胞のほか、上皮細胞や平滑筋細胞にもコラーゲン合成能力があるといわれます。 

コラーゲンの代謝システム

まず細胞内では、アミノ酸が50個以上結合したポリペプチド(ロープを編む糸のようなもの)が合成されます。ヒドロキシ化とグリコシル化(糖類が付加する反応)により、3本鎖のプロコラゲンとして細胞膜と通り抜け細胞外に放出されます。

細胞外では、酵素によって末端のアミノ酸が切断され、トロポコラゲンとなります。そして凝集して線維状へと成長していきます。コラーゲン分子の内外で、線維を結合する架橋が渡されます。

それらの代謝は、酸素、鉄イオン、ビタミンC(アスコルビン酸)を必須成分として変化していきます。(代謝とは、生体内で物質が変化していくこと) 

コラーゲンが体内で再合成される2つの論拠

コラーゲンを食べることで、コラーゲンの体内合成が行われるポイントが2つあります。コラーゲン研究の第一人者である東京農工大学名誉教授の藤本大三郎先生の発表しています。

特殊アミノ酸

1つはコラーゲンのみに存在するアミノ酸「ヒドロキシプロリン」と「ヒドロキシリジン」があります。コラーゲンが体内で吸収された瞬間、各細胞がコラーゲン合成をはじめるトリガーになるというものです。

ペプチド吸収

もう1つは、コラーゲンがアミノ酸まで分解されることなく、ペプチド状態で吸収され、その状態で細胞に取り込まれるというものです。日本ハムの中央研究報告では、ペプチドの血中存在を確認しています。

ペプチドとは、アミノ酸が数十~数百つながった状態で、タンパク質とアミノ酸の中間体です。この組み合わせは無限にあり、その構造によって機能性や構造物が変わります。

それらのことから『コラーゲンを食べると体内でコラーゲンができやすい』ということが推測されます。コラーゲンは、まだまだ研究段階で、これからさらなる有用性が確認されることが期待されます。  

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 【参考文献】
  • 「血管が若返れば健康寿命はのびる」著者:医学博士 石井光医師/幻冬舎
  • 「コラーゲン摂取による血管への作用」日本ハム中央研究所
  • 「コラーゲンの安全性と機能性」石見佳子 国立健康栄養研究所 食品表示分析規格研究部
  • 「未来の生物科学シリーズ32 コラーゲン」藤本大三郎 共立出版 1994
  • 「科学のとびら38 コラーゲン物語」藤本大三郎 東京化学同人 2006
  • 「コラーゲンの話 健康と美をまもる高分子」大﨑茂芳 中公新書 2007
  • 「コラーゲンの構造と応用展開」服部俊治 BIO INDUSTRY 16(7) 22-33 1999