手関節の骨(月状骨)が潰れる!
キーンベック病は、手首の骨の1つ(月状骨)が潰れる進行型の病気です。手首を酷使される方に多く発症します。
握力が低下して物がつかめない。手首の動きが悪くなるなどが起こり、スポーツや日常生活や仕事に影響がでます。
キーンベック病とは?
キーンベック病とは、月状骨が壊死して潰れる病気で「月状軟化症」とも呼ばれ、その原因はよく分かっていません。月状骨は8つある手根骨の1つで、舟状骨と三角骨とあわせて介在部分といいます。
介在部分は、前腕の2本の骨を受け止め、ほかの部位に力を伝える役目があります。その中心にある月状骨に、ほぼすべての軸圧が集まるため、手首の関節組織の中でもっとも力がかかる部分です。
キーンベック病は、働き盛りの青壮年の男性に多く発症します。また女性や高齢者にも発症します。
キーンベック病の症状
キーンベック病は利き手に多く発症し、手首に痛みと腫れが現れます。さらに握力が低下して、手首がスムーズに動かなくなります。さらに押す・引く・握る・手をつくなどの動作に支障ができます。
キーンベック病は症状によって、ステージⅠ~Ⅳに分類されます。
- Ⅰ:レントゲンでは異常は見られず、MRIによって若干の萎縮が確認。
- Ⅱ:萎縮や硬化などの症状はみられるが、潰れる状態にはなっていない。
- Ⅲ:潰れている状態(圧潰/あっかい)で、分節化が起こっている。
- Ⅳ:周囲の骨にも影響がでてきて、関節症などの症状が起こっている。
キーンベック病の原因
キーンベック病の原因はハッキリ分かっていません。しかし血行不良(栄養血管血流不全)により、血液が遮断されることで壊死することが分かっています。
月状骨には毛細血管が張り巡らされています。血行障害を起こす原因は、小さな外傷(腱鞘炎や捻挫など)の繰り返し、強い圧力、気づかないほどの小さな骨折(不顕性骨折)などが考えらます。
キーンベック病の診断
症状や圧痛の場所が特定されます。そこでキーンベック病の疑いがある場合は、レントゲン検査が行われます。初期状態ではレントゲン検査で分からないため、より精度の高いMRI検査で診断します。
キーンベック病の治療
キーンベック病は進行性なので、自然治癒はほぼないとされています。まれに初期状態であれば、固定だけで症状が治まるケースもあります。
ステージⅠの治療
まずは「保存療法」です。ギブスなどで固定して経過観察をします。初期状態なら治る可能性もありますが、この時期にキーンベック病と診断されることは稀です。
ステージⅡ以降の治療
症状を診ながら手術が検討されます。
コメント
「【キーンベック病】の原因・症状・治療法!」に対する1件のコメント