骨密度を改善するコラーゲンと骨代謝の関係

骨密度とコラーゲン

コラーゲンは「骨の弾力性」「骨折」「骨密度」「骨代謝」などに大きな影響を与えます。コラーゲンを食べることで、それらが改善するメカニズムも解明され、多くの研究データや論文が発表されています。 

骨とコラーゲンの関係

加齢、運動や栄養不足などで、骨内の結合組織にさまざまな生理的変化が生じ、骨密度や骨質が低下します。こうした老化現象(若年でも発生する)は、著明な弾性を有するファイバープロテイン(線維性タンパク質)であるコラーゲンの物理的・化学的性質の変化と、密接に関連していることが知られています。 

骨内のコラーゲンの役割

コンクリートの柱

骨とコラーゲンの関係は、よくコンクリートの柱で説明されます。丈夫なコンクリートの柱には、必ず鉄筋が入っています。鉄筋の本数が多いほど頑丈な柱です。地震で柱に大きな圧力がかかると、ねじれたり、ゆがんだりします。そのとき鉄筋が少なければ、柱は折れて崩れてしまいます。

例えヒビが入っても耐えられるのは、鉄筋がコンクリートの崩壊を防いでいるからです。

これは動物の骨の構造と同じです。つまり骨は、鉄筋にあたるファイバープロテイン(コラーゲン線維)が網目状になり、コンクリートにあたるカルシウムの流出や、折れたり、崩れたりするのを防いでいます。

そのため骨密度は、コラーゲン線維の質と量に比例するといわれます。

コラーゲンが老化すると

コラーゲンの老化で起こること!

コラーゲンの減少

コラーゲンは劣化します。その老化架橋といわれる状態になると、コラーゲン線維が硬くなり本来の機能が低下していきます。

そこにコラーゲン代謝の低下が加わると、肌で言えば「しわ」「たるみ」、運動機能で言えば「身体の硬化」「関節可動域の低下」「筋肉の柔軟性の低下」「靭帯や腱の損傷」「ケガの回復の遅れ」「骨折」などのリスクが増加します。

老化架橋の原因とは?

コラーゲンの老化(劣化)は、高齢者特有のものではありません。その原因は「ストレス」「寝不足」「暴飲暴食」「喫煙」「過度な飲酒」「加齢」などです。また糖化や酸化、紫外線や膠原病(こうげんびょう)などの病気によっても起こります。 

老化架橋のメカニズム

腱断裂

架橋とは、コラーゲン線維を束ねるコラーゲンとエラスチンでできた紐のようなものです。老化架橋が進むと、架橋が増えて硬縮することで、コラーゲン線維が硬くなります。

また身体はそれを異物と判断し、分解酵素(コラゲナーゼやエラスターゼ)を分泌します。しかし架橋物よりも、やわらかい正常なコラーゲンやエラスチンを分解してしまうことで、骨、軟骨、じん帯、腱、筋肉(筋膜)、血管、内臓、肌などが、損傷しやすく治りづらくなるのです。 

 

骨粗鬆症という骨密度の減少

健康な骨は、健康なコラーゲン量に比例します。コラーゲンに老化架橋が起こると、骨は硬く折れやすくなります。多くの方は「骨は硬いほうが丈夫?」と考えがちですが、それは間違いです。お皿と同じで硬いほど割れやすくなります。丈夫な骨とは、弾力性があってしなることが大切です。老化架橋によって、その弾力性が失われてしまいます。

また老化架橋によって、正常なコラーゲンやエラスチンが減少し、骨内はスカスカの粗鬆化をお起こします。それによりカルシウムは沈着する場所を奪われて、骨密度が低下するのです。 

コラーゲンによる骨密度の改善報告

コラーゲンの骨への作用は、多くの人が知るところです。ここではその根拠となる文献や実験結果をいくつかご紹介します。 

骨密度が有意に高くなった!

コラーゲンの骨密度に関する作用は、正常な骨よりも、骨密度が低下している方が顕著に表れた。

骨はコラーゲン線維のすき間にリン酸カルシウムなどの無機物が沈着して形成される。骨密度が低下する原因のひとつに、低たんぱく質状態(コラーゲン不足)がある。そこで低タンパク質状態で10週間飼育して、骨密度を低下させたマウスを使い実験を行った。

実験は餌を10%カゼイン群と6%カゼイン+4%コラーゲン群にわけて行われた。その結果、後者で大腿骨の骨密度が有意に高くなっていた。また他の実験では、健康な骨の状態ではあまり変化がみられなかった。 つまりタンパク質だけを食べるよりも、コラーゲンと一緒に食べる方が、骨密度が上昇したことを示している。

*「天然素材コラーゲンの機能性」財団法人日本皮革研究所 小山洋一、皮革科学Vol.56, No2, pp71~79(2010)参照 

閉経後の骨密度アップ!

さらに閉経後に骨密度が低下するモデルでも実験が行われた。

卵巣を摘出したラットを低たんぱく質で飼育して低骨密度状態にしたうえで、0.2g/kgの卵白アルブミンを投与した群と同量のコラーゲンを与えた群を比較した。その結果、後者の方が骨密度ならびに骨内のコラーゲン量が増えていることを確認した。

*「天然素材コラーゲンの機能性」財団法人日本皮革研究所 小山洋一、皮革科学Vol.56, No2, pp71~79(2010)参照 

破骨細胞を抑え、骨密度を改善!

低タンパク質食で骨密度を低下させたラットを、卵巣摘出群と偽手術群の2つに分けた。つまり卵巣摘出でエストロゲンの分泌を抑え、低タンパク質で老化を促進させたのだ。

それを更に体重100gあたり10,20,40mgのコラーゲン食を与えたグループと卵白アルブミン(卵白タンパク質)を20mg与えたグループに分け2週間飼育した。

その結果、卵巣摘出群に骨密度低下がみられたが、コラーゲンを20mg40mgを与えたグループで骨密度の改善が認められた。特に20mgコラーゲン食グループで大きな効果があった。

さらにその他の実験も含め、コラーゲン投与により、破骨細胞分化を抑制し、骨内のコラーゲンを増加させることで、骨密度の改善効果を示すものと結論づけた。 

*「コラーゲンと骨の健康維持」東京農工大学農学部付属硬蛋白質利用研究施設 野村義宏助教授を参照 

コラーゲンが骨代謝を制御!

マウスを使った実験では、コラーゲンペプチド群ならびにコラーゲンジペプチド群において、骨密度の上昇が認められた。また関節軟骨ならびに海綿骨の構造が良好であったとした。 

さらに骨芽細胞に対するコラーゲンペプチドの作用を検討した結果、骨芽細胞分化の発現量が上昇したことなどから、骨芽細胞や破骨細胞の分化を調整し、骨代謝を制御しているとした。 

結論として、コラーゲンペプチドを経口摂取後、コラーゲンオリゴペプチドとなり小腸からの吸収を経て血中に移行、運動器を構成する細胞群に直接または間接的に作用するものと考えられるとした。 

*「軟骨・骨に寄与するコラーゲンペプチド」城西大学薬学部医療栄養学科 食品機能学研究室 君羅好史、真野博を参照