筋膜リリース、ダイエット、ヨガ、疲労回復で大活躍のフォームローラー。しかし商品によって性能は全くの別物。価格や色だけで購入して、身体に合わずに筋肉やスジを痛めることも多いようです。
金額もまちまち!いったい何が違うのか?購入基準は何?迷うばかりです。その違いをハッキリさせ、あなたに最適なフォームローラーを見つけ出します。まずは一見してください。
目次
フォームローラー選び3つの相性
人気サイズ(33cm×14cm)のフォームローラー8種類を購入して、実際に測定・体感してみました。
高価格帯 | トリガーポイント、ナイキ、アディダス、スポルテック |
低価格帯 | KOOLSEN、Primasole、YeePwei、Soomloom |
①形状 ②素材 ③硬度
フォームローラーの違いは、この3つです。その違いが質感、効果、目的に影響します。価格とブランドでも大きな違いがありました。
形状:目的で変わるデザイン
フォームローラーは目的によって最適形状が異なります。筋膜リリース、マッサージ、ストレッチを混同している方が多いですが、やり方や効果も違います。
筋膜リリースとの相性
筋膜リリースは、運動や日常生活でシワなどになった筋膜を伸ばすことで、体の歪みや筋肉の動きを整え、肩こりや腰痛の改善、疲労回復を促進させるものです。フォームローラーを筋肉面にゆっくりと押しあてるのが基本で、柔らかめ(硬度20~35)で、抵抗なく転がりやすいものが最適です。(硬度の詳細は後記)
ヨガとストレッチとの相性
ヨガやストレッチは、呼吸に合わせながら、ゆっくりと体圧をかけるのが基本です。それに適したフォームローラーは、凹凸が少なく、柔らかめ(硬度20~35)で、回転時にガタガタ感がないものです。
マッサージとの相性
マッサージでは、痛気持ちいい指圧感を求めるのではないでしょうか?それに適しているのが、硬め(硬度36~50)で、凹凸が多いものです。ローリングすると筋肉や筋膜を痛める恐れがあるのでご注意ください。
リカバリーなどの相性
スポーツ後のリカバリーでは、筋膜リリースやストレッチが主体になりますので、柔らかめで回転がいいものがおすすめです。しかし筋肉量が多い方で物足りなさを感じる場合、お好みにあわせて選んでください。一般流通しているもので最も硬いのは「トリガーポイントの硬質タイプ(硬度50)」です。
足裏マッサージや傷害後のリハビリの相性については、今回調査は行っておりません。
転がりやすさに注目!
形状は転がりやすさとも関係します。フォームローラーは身体の下でローリングさせるので、転がりの良さが大切です。転がりが悪くガタガタすると、痛さや不快の原因や、筋膜や筋肉を痛める危険性があります。
測定方法:長さ60cmの板を18度に傾斜させ、一方の高さを20cm高くしたところから各フォームローラーを転がし、硬質フローリングを走らせて、転がった距離を測定した。測定は各3回ずつ行いその平均値を示した。参考値なので多少の測定誤差をご容赦ください。
素材:価格で質感が変わる
価格帯で素材と質感がガラリと変わります。低価格帯1千円~3千円、高価格帯3千円~7千円で使用感も全く異なることが分かりました。フォームローラーは2層構造で、表面のクッション性のある部分と、内側のプラスチックチューブ部分があります。
【表面素材】硬さと質感の違い
フォームローラーの表面素材には、EVA樹脂が使われています。安全性が高く、軽量で耐久性があり、環境にやさしい素材で、サンダルの底材、バスマット、赤ちゃんの玩具などにも使われています。低価格帯、高価格帯ともに同じ樹脂なのですが、配合が違うため、ブランドによって質感が異なります。
【チューブ素材】PVCは危険物質!
内側のチューブには、ABS樹脂とPVC樹脂の2種類の素材があります。高価格帯ではABS樹脂が、低価格帯ではPVC樹脂が使われています。この2つは機能性と安全性に大きな違いがありました。
硬度:もっとも重要な硬さ
硬さが同じでも、素材や素材の厚さによって、体感が大きく変わります。チューブがABS樹脂の場合、しなりとしなり戻りが良いため、PVC樹脂と比べて弾力性があり、筋肉を痛めにくいと思われます。
ソフト(硬度20~35) | 女性、筋肉量が少ない人、筋膜リリースやヨガをする人 |
ハード(硬度36~50) | 筋肉量が多い人、ハードな筋トレをする人、コリがつらい人 |
硬度のイメージは、手のひらの硬さが硬度20ほど、自動車のタイヤの硬さが硬度60ぐらいです。硬さは個人の好みですが、大まかな傾向は下の通りです。
あなたに相性のいいフォームローラー
身体との相性
フォームローラーの評価
TRIGGERPOINT(トリガーポイント)
【ソフト・凹凸少ない・転がりやすい・ABS樹脂】
本家フォームローラーとして、筋膜リリースに最適な硬さを実現しており、品質、使用感ともに最高レベルです。柔らかいので物足りなさを感じるヘビーユーザーには、硬質モデル(7,150円)があります。
ちょっと残念なのが、携帯用バックがついていないことでしょうか。
SPORTECH(スポルテック)
【ソフト・凹凸少ない・転がりやすい・ABS樹脂】
デザインはトリガーポイントと酷似しており、素材・品質もほぼ同じレベルで、機能的に大きな違いは見当たりません。コスパを重視するなら、こちらのモデルがおすすめです。
adidas(アディダス)
【ソフト・凹凸少ない・転がりやすい・ABS樹脂】
38cm(通常33cm)と少し長めで、硬さはトリガーポイントよりも少し硬く感じますが、ソフトの部類です。品質と使用感に関しては申し分なしといます。転がりはもっとも良かったです。
NIKE(ナイキ)
【ハード・凹凸少ない・転がりやすい・ABS樹脂】
硬度43とかなり硬めで、明らかに筋トレ系のヘビーユーザー向けだと感じます。表面層の厚さは、通常のものより少し薄く、ABSチューブは厚くしていることから、弾力性やしなりを抑えてしっかり筋肉へのアプローチを狙ったモデルです。
KOOLSEN Gruper
【ハード・凹凸少多い・転がりにくい・PVC樹脂】
低価格帯の代表格といえますが、初心者や女性には硬すぎると思います。痛気持ちいいマッサージ感覚を得たいならアリだと思いますが、筋膜リリースやヨガには不向きです。硬い凹凸が多いので、転がりが悪く、筋肉を痛める恐れがあります。
YeePwei
【ハード・凹凸少多い・転がりにくい・PVC樹脂】
多くKOOLSENと全く同じ商品だと思われ、違いが見当たりません。
Primasole
【ソフト・凹凸少多い・転がりにくい・PVC樹脂】
KOOLSENと全く同じデザインで転がりは悪いですが、安価商品の中でもソフトで痛みを感じにくいです。
Soomloom
【ハード・凹凸少多い・転がりにくい・PVC樹脂】
KOOLSENと全く同じ商品だと思われ、違いが見当たりません。
その他の安価商品
安価商品は一部を除いて、ほぼ同じ商品だと思われます。
以前、展示会で知りあった中国の製造メーカーで確認したところ、柔らかく製造するにはコスト高になるということです。またチューブ素材をABS樹脂に指定した場合も高くなるということでした。
工場としては、安価な原料で大量生産したいので、それ以外は高コストになるそうです。
最適なフォームローラ選びのまとめ
フォームローラーは、形状・素材・硬度で、質感や効果に違いがあります。それらの品質は、価格に直結しているともいえます。安価な商品が粗悪品ということではありませんが、重要なのは、あなたに相性ピッタリのフォームローラーを選ぶことです。最高のコスパは、理想の結果をもとない、無理のない持続性があるということです。
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