「骨貯金」という言葉を聞いたことありますか?
それは骨内のカルシウム量のことを指します。
では「カルシウムを摂ればいいの?」というと違います。カルシウムを摂りすぎると、反対に骨密度を低下させてしまう恐れがあります。しかも骨密度のピークは18歳です。
目次
骨貯金は健康の基本!
「骨貯金」という言葉が生まれた背景には、18歳までにどれだけ貯金(骨量)を増やせるか?それ以降は、如何に貯金の取り崩しを減らせるか?ということの啓蒙があります。
それは骨の健康度が骨格だけの問題ではなく、健康寿命に大きく関わっている側面があるからです。骨の弱さは、動脈硬化、脳卒中、心臓病、高血圧、糖尿病、運動機能の低下などにも関係しています。つまり骨の健康度は、身体能力の若さや健康全般に影響しているのです。
それぞれの詳細な説明については、順次本記事で公開していきます。ここでは骨の健康を考える方のために、骨貯金を減らさない3つのポイントをご紹介します。
丈夫な骨を維持するには
- ピークまでに多くの骨貯金をしておくこと!
- その後の骨貯金の取り崩しを少なくすること!
*近年の研究では、60歳を超えても骨密度があがった事例が数多く存在します。それらの方法については、別の機会にご紹介させていただきます。
骨貯金を減らさない3つのポイント!
1、骨に負荷をかけること!
人間は長い時をかけて進化してきました。それは小さな環境変化の積み重ねでもあります。例えば、体に外圧が継続的に加わると、その部分が強化され外圧に対応できるようになります。つまり骨に負荷をかけることで、優先的に栄養が届けられ骨が強くなっていきます。つまり毎日の運動によって、骨貯金の減少が最小限に抑えられます。
宇宙飛行士が宇宙にいると、骨密度がスカスカになり歩行困難になる話は有名ですよね。負荷がかからない無重力空間にいると、骨密度は一気に低下します。骨密度を一度減らすと、なかなか元に戻らないので、日々の運動は重要です。
2、日光浴で骨密度アップ!
骨の形成に欠かせないのがビタミンDです。カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、サプリメントで補うこともできますが、できれば日光を浴びて体内での合成を高めるのが理想的です。
日照時間の少ない北欧では骨折の発生率が高いとされています。その原因は諸説ありますが、理由のひとつにビタミンD不足によるカルシウム量の低下が指摘されています。
3、骨たんぱく質とカルシウムのバランス
骨を鉄筋コンクリートに例えると、コンクリートがカルシウムで、鉄筋がコラーゲンになります。ファイバ―プロテインであるコラーゲンは、鉄筋の役目をして、細かく骨内に張り巡らされています。そこにカルシウムがはまり込むかたちで、骨が形成されます。
骨密度が低下する最大の要因は、繊維状たんぱく質であるコラーゲン産生量が、18歳頃をピークに低下すること考えられます。
●1日に必要なそれぞれの摂取量!
・カルシウム量・・・・・0.7g
・ファイバープロテイン量・・・5.0~7.0g
(*上記は年齢性別により異なります。)
1日に必要なカルシウムは約0.7gで、コラーゲンを中心としたファイバープロテインは約5~7g必要とされています。運動量の多い方は、その1.5~2倍ほど必要ですが、実際の食事では足りていないのが現状です。丈夫な骨を維持するには、カルシウムが大切ですが、ファイバープロテインも重要な栄養素です。
さて宇宙飛行士の話に戻りますが、宇宙飛行士は地上に戻ってから、大量のコラーゲンを摂取するという都市伝説があります。あくまでも一部の書籍にかかれていることなので、真偽のほどは分かりませんが、納得できる部分もあります。
「骨貯金を減らさない」まとめ
貯金(骨量)がもっとも多い18歳以降は、貯金を取り崩すように徐々にカルシウム量が減少していきます。健康な骨を維持するには、いかにして骨貯金を減らさないかがポイントです。
適切に対応することで、骨粗鬆症であっても骨密度があがったという報告もされています。「運動」「外出」「栄養」の3つのポイントを習慣にさせることで、健康と若々しさを保つことができます。若年性でも起こる骨密度の低下は、身体的老化を招く深刻な問題です。
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