足がつる病気の種類と見分ける2つのポイント!

足がつる病気の見分け方

あなたの足がつる理由!足の疲れや栄養不足が原因ですか?病気のシグナルではありませんか?

運動で足がつる場合と病気による足のつりは、症状に違いがあります。それを見分けることで、早期発見・早期治療に役立つことができます。

足がつる3つの理由

こむら返りともいわれる足がつる症状ですが、一般的にその理由は運動による水分不足と栄養不足です。しかしそれ以外の理由でも足がつることがあります。

  • 足がつる理由1:水分と栄養不足
  • 足がつる理由2:病気による初期症状
  • 足がつる理由3:妊娠後期に起こる症状

足がつる最も多い理由は、水分と栄養の不足です。それらが不足する理由は、運動による栄養消費と脱水症状、筋肉疲労による血液循環の不良、筋力不足による血液の滞留、血管収縮または血管硬化による血流の低下などです。

しかし水分と栄養不足は、スポーツだけで起こるわけではありません。就寝中の脱水症状や病気の症状としても血行不良が起こります。

足がつる3つの病気とメカニズム

足がつる病気はたくさんあります。しかし大きく分けると「血行不良」「神経障害」「代謝異常」の3つに分類されます。病気の1症状として、血行不良や神経障害を引き起こしているのです。

  • 血行不良を起こす病気・・・糖尿病、閉塞性動脈硬化、肝疾患、腎疾患など
  • 神経障害を起こす病気・・・糖尿病、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、心筋梗塞、癌など
  • 代謝異常を起こす病気・・・甲状腺機能低下症など

血行不良を起こす病気

<糖尿病>

血糖値が高い状態では、血液の粘度が高まります。いわゆるドロドロ血液になることで、血流が悪くなります。結果的に水分や栄養の供給が追い付かず、足がつる症状が起こります。喉の渇きが継続する、こむら返りがしつこく改善しない、疲れやすいなどの症状がある場合は、糖尿病を疑ってください。

<閉塞性動脈硬化>

閉塞性動脈硬化(へいそくせいどうみゃくこうか)は、手足の血管が硬化することで、狭窄(きょうさく/血管が狭くなる)や閉塞(へいそく/血管がつまる)を起こして、血行不良になる病気です。足がつる症状のほかに、手足のしびれ、手足の冷え、手足の持続的な痛み、歩行困難、一定距離を歩くとふくらはぎが締め付けられる痛みが起こる間歇性跛行(かんけつせいはこう)などが起こります。

<肝疾患などの肝不調>

肝臓は有害物質の解毒器官です。それが肝硬変などの肝臓病になると、解毒機能が低下して血中の毒素が増えることになります。それにより足がつる症状が起こることがあります。肝臓の解毒能力は限界があるので、限界を超えて肝機能が低下した場合でも、同じような症状が起こることがあります。アルコールも肝臓が分解するため、飲み過ぎによる脱水症とあわせて同様の症状が起こりやすくなります。

<腎疾患などによる腎不調>

腎臓は体内の老廃物をろ過して尿をつくる器官です。腎臓の機能が低下すると、老廃物の除去ができなくなり、血液の汚れた状態が続きます。血液の質が低下することで、足がつりやすくなります。異常に気付きにくい臓器ですので、尿が出づらいなどの不調や疲れやすさなどの変化をともなう場合は、早めに受診してください。

神経障害を起こす病気

<糖尿病>

血糖値が高い状態が続くと、ミネラルイオン(電解質)のバランスが崩れて、筋肉や神経の調整に不具合が生じます。その症状として足がつることがあります。その他、足裏に膜が張ったような感覚、足だけではなく背中がつる、異常に喉が渇く、疲れやすい、ケガが治りづらいなどの初期症状があります。

<脊柱管狭窄症>

(せきちゅうかんきょうさくしょう)

背骨の中には脊柱管という管があります。その中には硬膜といわれる膜につつまれて、たくさんの神経や血管が通っています。骨や椎間板などが変形することで、脊柱管が圧迫されて起こる症状です。足がつる症状のほかには、腕から指にかけて強い痛みやしびれがある、腕が重い、手の指に力が入らない、腰が重く痛い、足のしびれや痛み、歩行障害などがあります。

<椎間板ヘルニア>

腰椎の椎間板が突き出ることで、脊柱の中枢神経や末梢神経を圧迫し、痛みやしびれを発症させます。その症状の1つとして起こることがあります。その他の症状としては、激しい腰痛、手足のしびれ、腫れなどがあります。

<脳梗塞>

筋肉は脳からの指示で伸び縮みします。その脳の血管が詰まることで、正しい命令が出せなくなります。手足のしびれや足がつる症状は、脳梗塞の代表的なものといえます。足がつる場合は、しびれがあるか?痛みはあるか?を確認しましょう。痛みがなく手足のしびれだけをともなう場合は、脳梗塞を疑ってみてはどうでしょうか。

代謝異常を起こす病気

<甲状腺機能低下症>

甲状腺ホルモンは、エネルギーの利用を促すホルモンのため、低下すると神経系、代謝系、筋肉系など、さまざまな機能が低下します。足がつる症状のほかに、記憶障害、抑うつ、無気力、眠気、むくみ、乾燥、抜け毛、疲労感、体重増加、便秘、心臓機能の低下などが起こります。

足がつるその他の病気

足がつる代表的な病名をあげましたが、それ以外でも原因となる病気があります。多くの病気や疾患は、血液、ホルモン、神経と深く関わっています。そのため予期せぬ病気でも、つる症状が起こることがあります。

心筋梗塞やガン、さまざまな精神疾患や筋肉自体の病気、また骨の病気で血中カルシウム量が変化することで起こることもあります。その違いは、次の章でお伝えします。

病気を見分ける2つのポイント

病気が原因で足がつる場合の見分け方は、大きく分けて「頻度」「ほかの症状」の2つで初期判断することができます。もしも該当するようでしたら、病院で検査をしてもらってください。

足がつる症状が頻繁に起きますか?

運動中、運動後、睡眠中がもっとも足がつるタイミングです。それ以外のタイミングで頻繁に足がつるようでしたら、病気の疑いがあります。適切な対処法を行っているにも関わらず、頻繁に足がつる場合は要注意です。

足がつる他に症状はありますか?

足がつる原因が病気の場合、ほかの症状も起こります。緊急を要するものは、手足にしびれがある場合です。下記の症状がある場合の疑いのある病名を記載しました。

  1. のどが渇く・・・糖尿病など
  2. 疲れやすい、疲労がとれない・・・糖尿病、甲状腺機能低下症など
  3. 手足がしびれる・・・脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化など
  4. 歩行障害やつまずくことが多くなった・・・脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞、動脈硬化
  5. 腰痛などの関節痛がある・・・脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脳梗塞など
  6. むくみが消えない、または頻発する・・・甲状腺機能低下症、腎疾患など
  7. 言葉が出ない、もつれるなどの言語障害・・・脳梗塞など

足がつる病気のまとめ

足がつる病気を見分けるポイントは2つあります。1つはタイミングと頻度です。運動中後や睡眠中以外で起こる、または対策をしても頻繁に起こるようなら注意が必要です。

もう1つは他の症状があるかどうかです。特に大事なのが手足のしびれです。水分や栄養不足で足がつる場合には、しびれは起きません!

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