メラトニン効果で睡眠の質が向上!今日から睡眠が変わる5つの方法

メラトニンと睡眠

 

大事な試合の前に緊張で寝つけない、ベッドに入ってもなかなか眠れない…そんな経験があるのでは?睡眠がうまくとれない原因のひとつに「メラトニンの効果」がきちんと作用していないことがあります。放っておくと睡眠障害にもつながるので、一刻も早くメラトニン効果を高める方法を実践しては如何ですか。

睡眠の良し悪しは、メラトニンの分泌量と比例しているといわれています。そのメラトニンの解説と効果がアップする5つの方法についてお伝えします。この方法を実践すれば、今夜からあなたの睡眠は改善されるかもしれません。

メラトニンの特徴

メラトニンとは?

メラトニンの3つの効果

メラトニンは「睡眠を促すホルモン」として知られていますが、その他にも「抗酸化作用」や「性腺抑制作用」が認められています。メラトニンは血液脳関門をすり抜けるなど、身体全体に強い抗酸化作用を発揮します。特に細胞内の核DNAやミトコンドリアDNAを保護します。

またホルモンバランスを整えるため、不妊治療でも有効とされますが、過剰に摂取すると月経を止める作用も報告されています。さらに性刺激ホルモンの分泌を抑制し、生殖腺の機能を低下させることがあります。

睡眠の質を決定するメラトニン

睡眠促進ホルモン「メラトニン」は、脳にある松果体から分泌されます。夜になると徐々に分泌量が増えて、夜中の2~3時ごろピークに達します。メラトニンが分泌されると、脈拍・体温・血圧が低下し睡眠へと誘導します。寝つきの90分が睡眠の質を決定するといわれており、メラトニンの分泌がしっかりと機能することでそれが確保されます。

概日リズムによる体温変化

メラトニンは睡眠覚醒周期を調整し「概日リズム(体内時計)」を形成します。そのメラトニンの分泌は、原料となるセロトニンが日中どれだけ分泌したかで決まります。「昼のセロトニン」と「夜のメラトニン」の関係が、良質な睡眠には必要です。

メラトニンと病気予防の関係

メラトニンの適切な分泌は、睡眠障害の改善のほかにも、認知症や癌の予防にも効果があることが分かっています。また睡眠の質が高まることで、血糖値を正常に保ち、糖尿病の予防にもつながります。

さらにメラトニンは更年期障害による不眠症にも効果を発揮し、体内時計を調整して快眠をもたらしてくれます。睡眠は身体の修復を行う大事なシステムなので、阻害されると様々な健康被害の原因になります。

メラトニンの副作用

海外では睡眠誘導を目的として、メラトニンのサプリメントや医薬品が販売されています。通常メラトニンの自然分泌では問題ないのですが、サプリメントや医薬品を過剰摂取すると副作用を生じます。

その副作用とは、服用時間を間違えて概日リズム(体内時計)が狂い睡眠障害になる恐れがあります。また低血圧、悪夢、腹痛、吐き気、生殖機能の退化、ホルモンバランスの変化などがあげられます。

メラトニンを増やそう!

セロトニンを増やそう

セロトニンとは?

セロトニンとは神経伝達物質のひとつで、感情や気分をコントロールする働きをしています。セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれていて、ストレスを軽減させて睡眠障害を防ぐ効果を持っています。メラトニンを作り出しているのはこのセロトニンです。

セロトニンの分泌が減ると、脳の働きが低下し心身がバランスを崩して不調になります。うつ病の人のセロトニン量が少ないことはよく知られています。セロトニンが少ないとメラトニンもきちんと分泌されないため、体内時計が狂い睡眠障害を引き起こすことになります。

セロトニンを増やすための方法

セロトニンを増やすために効果的な方法を3つ紹介します。

 朝起きたら太陽光を浴びる

朝に太陽光を浴びることで、メラトニンの分泌が止まりセロトニンの分泌が活発になります。脳を覚醒させて日中にセロトニンを増やすことで、夜間のメラトニン分泌を増やすことができます。体内時計を正しく整え、睡眠障害を予防することにもつながります。

朝食をしっかりとる

セロトニンの生成に欠かせないトリプトファンという物質は、体内で生成することができません。朝食でトリプトファンを含む食品を摂取し、体内に取り込むのがよいでしょう。トリプトファンについての具体的な説明は後述します。

軽いリズム運動をする

セロトニンの分泌を増やすには、一定のリズムで動く単純な運動が効果的です。リズム運動にはウォーキング、サイクリング、スクワットなどがよいでしょう。太陽がでている時間に近所を軽く散歩するだけでも高い効果が得られそうです。

体内時計を整えよう!

体内時計が狂うとメラトニンは不足する

セロトニンが分泌されてメラトニンが生成されることは前述のとおりですが、体内時計が狂った状態ではこのサイクルはうまく機能しません。体内時計を乱す原因のひとつは、夜間に明るい光を浴びることです。特にパソコンやスマホ・タブレットなどの液晶から発せられるブルーライトは、メラトニンの効果と分泌量を抑制し、睡眠障害を引き起こすと言われています。

メラトニンの分泌は、朝の光を浴びてから約14時間後に増え始め、深夜にピークを迎えます。そして再び朝の光を浴びることで分泌が減ります。ブルーライトなどでこのサイクルの機能が損なわれると、メラトニンの分泌量が減り、メラトニン効果を発揮できず睡眠環境が劣化します。

体内時計の狂いが招く睡眠相後退症候群

体内時計が乱れてメラトニンの生成サイクルが後退し、深夜にならないと眠れなかったり、朝早くに起きられない人が増えています。これは睡眠相後退症候群(DSPS)と呼ばれるもので、重度になると不眠症やナルコレプシーのような睡眠障害に発展する危険があります。メラトニンのもたらす効果が弱くなり、適切な時間に睡眠がとれなくなるものですが、自覚がないまま過ごしている人も多いです。

体内時計を整える!

セロトニンを増やす方法と重複しますが、朝同じ時間に起きて、①太陽光を浴びる!②夜間に明るい光を浴びない!③朝食を抜かない、の3つをするだけで、体内時計が調整されます。

メラトニンを増やす3つの物質

メラトニン生成に不可欠なトリプトファン

メラトニンを生成するセロトニンは、トリプトファンをもとに生成されています。つまりメラトニンが効果を発揮するためには、トリプトファンは必要不可欠な物質と言えます。トリプトファンは必須アミノ酸の一種で、体内で作れないため食事で摂取する必要があります。

トリプトファンを朝食でとることで、メラトニン効果が高まるとされています。起床してすぐに朝食をとれば、その約14時間後にメラトニンが増え始めるので、入眠しやすくなり睡眠障害の予防にもなります。

L-テアニン

緑茶などのお茶に含まれているのが、L-テアニンと呼ばれるアミノ酸です。お茶を飲んでほっとするのは、このL-テアニンによるものとされています。脳の興奮を抑えたり、神経を鎮静化させたりといった効果が、このL-テアニンには認められています。

緑茶にはカフェインも含まれていますが、L-テアニンはカフェインの覚醒作用を抑える効果もあります。睡眠を安定させる働きのほか、覚醒時のリフレッシュ感も高めるので、摂取すれば朝すっきり目覚めることができます。しかし就寝直前や飲み過ぎは、カフェインの影響がでるので注意しましょう。

 グリシン

グリシンとはアミノ酸の一種で、深い熟睡を促し睡眠の質を向上させます。グリシンには体温を下げる効果があり、就寝前に摂取すると入眠をスムーズにすると言われています。良質な睡眠をとることで朝の目覚めもよくなり、メラトニンが高い効果を発揮できるようになります。

メラトニン効果を阻害する4つの原因

ブルーライト

スマホ、パソコン、タブレットなどの電子機器が放つ光は「ブルーライト」と呼ばれており、強い覚醒作用があります。就寝前にブルーライトを浴びると、メラトニン効果が弱まり入眠しづらくなります。睡眠障害を防ぐには夜間のブルーライトを遮断し、読書や音楽などでリラックスすることをお勧めします。

電磁波

電子機器から発生する電界と磁界を「電磁界」といい、電磁界の空間には電磁波が発生しています。WHO(世界保健機関)では携帯電話から発生する電磁界を、発がん性の恐れがあるものとしています。電磁波はメラトニンの分泌を大幅に阻害するという研究報告もされており、睡眠に対して悪影響を及ぼすものです。

アルコール

飲酒をすると「寝つきが良くなる」と思っている人もいますが、アルコールの覚醒作用は睡眠の質を低下させます。深夜の中途覚醒は、朝の覚醒に支障をきたし、メラトニンの効果を薄れさせます。依存性も高く睡眠障害にもつながるので、寝酒の習慣は改めるべきでしょう。

カフェイン

コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどの飲料には、多くカフェインが含まれています。就寝の6時間前に飲んだカフェインが、睡眠を阻害したという実験結果もあります。カフェインの強い覚醒作用は、メラトニンの効果にも大きく影響します。

メラトニンの効果を助けるサプリを活用しよう

睡眠の質を高め、メラトニンの効果を助けるサプリメント

L-トリプトファン

セロトニンやメラトニンを生成するには、トリプトファンが必要です。トリプトファンを多く含む食品には、大豆製品、乳製品、卵などがありますが、サプリメントで効率良くとることもできます。メラトニンを増やるには、トリプトファンが重要です。

GABA(ギャバ)

GABAには「安眠効果」や「リラックス効果」があります。精神の高ぶりを抑制し、体内の深部体温を低下させる働きもしています。自然な入眠効果をもたらすGABAをとるのも、選択肢のひとつです。

ビタミンB6

トリプトファンと同時に、ビタミンB6をとるのがよいとされています。セロトニンの合成を促進させる働きがあるためです。結果的にビタミンB6は、メラトニン効果を高めてくれる栄養成分といえます。

メラトニンのサプリの危険性

メラトニンのサプリは、日本国内での入手は困難です。メラトニンのサプリは日本では薬として扱われますが、処方できるメラトニン製剤が存在せず医師の処方が受けられません。海外から個人輸入という形で、メラトニンを入手することができます。

しかし海外のサプリメントは、日本の安全基準と違い、成分の配合が記載量と違う場合があります。メラトニンは栄養素ではなくホルモンなので、サプリでの補給には副作用やリスクを伴います。

サプリに頼りすぎないで

サプリは睡眠薬ほどは副作用の心配がないものですが、副作用が完全に起こらないとは言い切れません。また服用している薬の効能を弱めてしまうケースもあり、摂取前には確認が必要です。サプリを摂取する場合、必ず少量から始めて、睡眠に効果が見られるかをよく判断することが重要です。

サプリの力だけでは睡眠の質を高めることはできません。最も大切なのは睡眠環境を整えて、セロトニンやメラトニンの効果を最大限に発揮させることです。睡眠障害を阻止して良質な睡眠を手に入れるため、サプリはひとつの手段として効果的に利用するのがよいでしょう。

睡眠薬の危険性

睡眠薬摂取による死亡リスク

眠れないと、ついつい頼ってしまう睡眠薬ですが、カリフォルニア大学サンディエゴ校のクリプケ医師は、処方された睡眠薬を飲んでいる人は、それ以外の人と比べて死亡率が高く、癌の発症リスクも高くなるとしています。できることなら、人間が元々もっているメラトニン分泌力を促進したいものです。

まとめ

メラトニンの効果によって、私たちの睡眠は制御されています。しかし良質な睡眠のためには、整った睡眠環境を築き、メラトニン効果による最高の入眠を得ることが大切です。

睡眠にとって悪影響となる生活習慣を改善し、質の高い睡眠のために有意義なものにしましょう。睡眠の質を高める事柄を意識するだけで、メラトニンの効果を得る第一歩となるのです。憂鬱な睡眠障害に別れを告げ、メラトニンのもたらす快眠に喜びを感じられれば、どんなに幸せなことでしょうか。

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