【アミノ酸の効果一覧】身体機能の向上、ケガの治癒、病気を改善するアミノ酸

アミノ酸の効果

 

必須アミノ酸9種類と非必須アミノ酸11種類(計20種類)が、カラダのすべてのタンパク質を作っています。またアミノ酸は単独でもいろいろな効果を発揮します。そのアミノ酸を「遊離アミノ酸」といい、生命維持活動や運動機能にも大きく関わります。

目的別アミノ酸の効果

20種類のアミノ酸以外にも、タンパク質を合成しない「遊離アミノ酸」があります。代表的なものにクレアチン、オルニチンなどがあり、それらも含めアミノ酸の効果や特徴を分かりやすくお伝えします。アミノ酸は6つの分類法がありますが、ここでは分類に拘りなく効果を示しています。

  1. 身体機能の向上と回復効果
  2. 代謝機能の促進効果
  3. 病気の予防と機能改善の効果

身体機能の向上と回復効果

「筋力アップ・筋力低下を防止」するアミノ酸効果

BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン(コラーゲンの主要原料)、アルギニン、これらのアミノ酸の代謝を高めるには「ビタミンB群」が必須です。

「ケガの治癒」を促進させるアミノ酸効果

筋肉系の怪我(バリン、ロイシン、イソロイシン)、グルタミン(免疫力の向上、DNAやRNAの原料)、リジン、プロリン、グリシン(コラーゲンの主要原料、DNAやRNAの原料)、オルニチン(コラーゲンの合成促進)など

「疲労回復」を促進するアミノ酸効果

イソロイシン、リジン、メチオニン(活性酸素の除去)、システイン(だるさの予防)、アスパラギン酸(アンモニアの解毒作用)、アスパラギン(筋肉疲労の改善)、グルタミン酸(アンモニアの解毒)、グリシン(コラーゲンの主要原料、基礎代謝の向上)、アラニン(アルコール分解促進)、アルギニン(乳酸の抑制)など

「肝機能向上」のアミノ酸効果

ロイシン、イソロイシン、リジン、スレオニン(脂肪肝の予防改善)、システイン(二日酔い改善、アセトアルデヒドの解毒)、アラニン、オルニチン(二日酔いの予防、しじみに多く含まれるアミノ酸)など

「ストレス解消」のアミノ酸効果

ロイシン、ヒスチジン、フェニルアラニン(チロシンを合成)、チロシン(快楽物質ドーパミンを合成)、トリプトファン(セロトニンやメラトニンを合成)、GABA、これらのアミノ酸は「安眠」にも深く関わります。

「集中力アップ」記憶力向上のアミノ酸効果

リジン、フェニルアラニン(記憶力の向上)、トリプトファン(ナイアシンの原料、セロトニンの濃度を高める)、ヒスチジン、チロシン(集中力アップ)、セリン(アルツハイマー病や認知症の改善)、グルタミン酸(脳の活性化)など

「その他」身体機能のアミノ酸効果

  • 持久力の向上:アスパラギン
  • 瞬発力の向上:クレアチン
  • 成長ホルモン:イソロイシン、ヒスチジン、アルギニン(分泌促進効果)、オルニチン(成長ホルモンの誘導体)

代謝機能の促進効果

「脂肪代謝・ダイエット」促進のアミノ酸効果

リジン、メチオニン(コレステロール値の低下)、ヒスチジン、スレオニン、グルタミン酸(脂肪の蓄積抑制)、プロリン、アラニン(脂肪燃焼の促進効果)、アルギニン(肥満の改善・脂肪燃焼の促進)、脂肪代謝には「ビタミンB群」が重要な働きをしています。

「糖質代謝」促進のアミノ酸効果

グルタミン(糖代謝の感受性を高める)、アラニン(グルコース・アラニン回路の主要成分)、糖代謝には「ビタミンB群」が重要な働きをしています。

病気の予防と機能改善の効果

「不眠解消・睡眠の質向上」のアミノ酸効果

トリプトファン(ナイアシンの原料、セロトニンの濃度を高める)、セリン(睡眠の質の向上)、オルニチン(睡眠の質の向上)、グリシン、チロシンなど

「自律神経の調整と改善」のアミノ酸効果

イソロイシン、チロシン(自律神経の調整機能)、アスパラギン酸(興奮性神経伝達物質の原料)、アスパラギン(尿の排出促進)など

「精神的安定」を促すアミノ酸効果

トリプトファン、メチオニン(うつ症状の改善効果)、チロシン(うつ症状の改善効果)、グリシン(抑制性神経伝達物質の原料、コラーゲンの主要原料)など

「胃腸を改善」するアミノ酸効果

スレオニン、アスパラギン、グルタミン(急性胃腸炎の回復、腸の蠕動運動のエネルギー源)など

「老化防止」促進のアミノ酸効果

メチオニン、トリプトファン(ナイアシンの原料、セロトニンの濃度を高める)、

「皮膚疾患の改善・美肌美白」のアミノ酸効果

フェニルアラニン(皮膚疾患の緩和)、スレオニン、システイン(ターンオーバー促進効果、ターンオーバーの産生抑制)、アスパラギン酸、セリン(メチオニンやシステインを作る)、グルタミン酸、プロリン(コラーゲンの原料)、グリシン(美肌、痩身効果、コラーゲンの主要原料)、オルニチン(コラーゲンの合成促進)、

「その他」のアミノ酸効果

  • 前立腺肥大・頻尿の改善薬成分:アラニン
  • 糖尿病の予防:イソロイシン
  • 鎮痛効果:フェニルアラニン、トリプトファン(ナイアシンの原料、セロトニンの濃度を高める)
  • アレルギーの緩和:メチオニン
  • 血管の老化防止:アルギニン
  • 生活習慣病の予防:アルギニン
  • 血圧上昇の抑制:グルタミン酸(血圧降下作用)
  • 育毛・発毛効果:ロイシン、リジン、チロシン(白髪予防)、スレオニン(潤い髪)

各アミノ酸の効果

「必須アミノ酸」の特徴と効果

BCAA(Branched Chain Amino Acid)

  • 種 類:バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類
  • 分 類:必須アミノ酸、脂肪族アミノ酸(分岐鎖アミノ酸)
  • 特 徴:直接、筋肉のエネルギーとして活用される。肝臓を経ず直接筋肉に貯蔵。
  • 効 果:筋力低下の防止、筋肉損傷の防止と回復、筋肉増強など、持久系・筋力系アミノ酸
  • その他:筋肉のエネルギー再利用機能である「グルコース・アラニンサイクル」の主要成分
  • リンク:BCAA効果を高めて筋トレ効率をあげる5つの成分

バリン(Valine: V or Val )

バリンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族(分岐鎖)アミノ酸
  • 化学式:HO2CCH(NH2)CH(CH3)2
  • 特 徴:通常のアミノ酸と違い、肝臓を経ずに筋肉に貯蔵される
  • 効 果:筋肉の損傷予防、筋肉の損傷回復促進、筋力低下の予防、筋力低下の回復促進
  • 相 性:ロイシン、イソロイシン、アルギニン、グルタミン
  • 食 品:レバー、子牛肉、落花生、プロセスチーズなど

ロイシン(: L or Leu )

ロイシンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族(分岐鎖)アミノ酸
  • 化学式:(CH3)2CHCH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:通常のアミノ酸と違い、肝臓を経ずに筋肉に貯蔵される、欠乏するとインスリンの低下で血糖値上昇、肝機能や筋力の低下、疲労蓄積など、過剰摂取で免疫低下や体重減少など
  • 効 果:筋肉強化、肝機能向上、ストレス緩和、育毛促進など
  • 相 性:バリン、イソロイシン、アスパラギン、アルギニン、グルタミン、
  • 食 品:レバー、大豆、アジやサケ、乳製品など

 イソロイシン(: I or Iie )

イソロイシンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族(分岐鎖)アミノ酸
  • 化学式:C2H5CH(CH3)CH(NH2)COOH
  • 特 徴:通常のアミノ酸と違い、肝臓を経ずに筋肉に貯蔵される
  • 効 果:筋肉修復作用、疲労回復、成長促進、糖尿病の予防、肝機能向上、神経機能の正常化、髪や肌の健康維持など
  • 食 品:鶏肉、サケ、牛乳

リジン(: K or Lys )

リシンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:H2N(CH2)4CH(NH2)COOH
  • 特 徴:コラーゲン成分、脂肪燃焼アミノ酸四天王の1つ、欠乏すると疲れや集中力低下、肝機能低下、コレステロール増加
  • 効 果:脂肪燃焼を促進、疲労回復、集中力アップ、肝機能向上、ヘルペス予防、髪の健康、脳卒中発症予防
  • 食 品:乳製品、鶏肉

メチオニン(: M or Met )

メチオニンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族(含硫)アミノ酸
  • 化学式:CH3SCH2CH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:セリンとともにシステインを作る。コレステロール値低下、活性酸素の除去、過剰摂取でめまい・嘔吐・低血圧など、ヒスタミンの血中濃度低下
  • 効 果:肝機能改善、老化防止、アレルギー緩和、うつ症状の改善など
  • 食 品:肉類、カツオ、マグロ、乳製品など

フェニルアラニン(: F or Phe )

フェニルアラニン

  • 分 類:必須・芳香族アミノ酸
  • 化学式:(C6H5)CH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:セロトニンやメラトニンなどの情報伝達を行う前駆物質の原料、過剰摂取で血圧上昇
  • 効 果:記憶力アップ、鎮痛効果、皮膚疾患緩和など、
  • 食 品:アーモンド、落花生、大豆、かぼちゃ、じゃがいも、乳製品など

トリプトファン(: W or Trp )

トリプトファンの効果

  • 分 類:必須・異節環状アミノ酸
  • 化学式:(C8H6N)-CH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:ビタミンB3(ナイアシンを作る)、セロトニン(鎮痛・精神安定・集中)の濃度を高める
  • 効 果:不眠解消、アンチエイジング、鎮痛効果、集中力や記憶力アップ
  • 相 性:-抗うつ剤( 過剰摂取の場合、血圧や心拍数の変化、血管収縮など)
  • 食 品:カツオ、牛豚レバー、牛乳、大豆、ナッツ類など

ヒスチジン(: H or His )

ヒスチジンの効果

  • 分 類:必須・異節環状アミノ酸
  • 化学式:H2NCH[CH2(C3H3N2)]COOH
  • 特 徴:赤血球を形成するときに必要、血管拡張作用、脂肪燃焼作用、アレルギーや低血圧誘発も
  • 効 果:成長促進、ダイエット効果、慢性関節炎の緩和、脳神経の保護、ストレス軽減
  • 食 品:マグロ、カツオ、子牛肉、鶏肉、チェダーチーズなど

スレオニン(: T or Thr )

スレオニンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:CH3CH(OH)CH(NH2)COOH
  • 特 徴:脂肪代謝促進、天然保湿成分(NMF)、ケラチン合成成分、
  • 効 果:新陳代謝促進、脂肪肝の予防改善、胃炎改善作用、美肌効果、髪の潤い、
  • 食 品:さつまいも、栗、コラーゲン、鶏肉

「非必須アミノ酸」の特徴と効果

チロシン(Tyrosine: Y or Tyr )

チロシンの効果

  • 分 類:非必須・芳香族アミノ酸
  • 化学式:HO(C6H4)CH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:フィニルアラニンから合成、神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリンなど)の原料
  • 効 果:うつ症状の改善、ストレスの緩和、集中力を高める、自律神経の調整、白髪予防、
  • 相 性:レシチンなどのリン脂質、ビタミンB群、
  • 食 品:落花生、大豆、アーモンド、ちりめんじゃこ、乳製品など

システイン(Cysteine: C or Cys )

システインの効果

  • 分 類:非必須・脂肪族(含硫)アミノ酸
  • 化学式:HSCH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:メチオニンとセリンから作られる、エネルギー代謝、アセトアルデヒド(二日酔い成分)の解毒、メラニン色素の産生抑制、ターンオーバー促進、過剰摂取は糖尿病誘発も、
  • 効 果:肌トラブル予防、だるさ予防、二日酔い予防、美白などの効果
  • 相 性:ビタミンC

アスパラギン酸(Aspartic Acid: D or Asp )

アスパラギン酸の効果

  • 分 類:非必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:HOOCCH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:興奮性神経伝達物質、大脳皮質・小脳・脊髄などに存在、旨味成分、乳酸をエネルギー変換、グリコーゲンの生成促進など
  • 効 果:疲労回復、アンモニア解毒作用、体調を整える、美肌など
  • 相 性:+カリウム、+マグネシウム
  • 食 品:アスパラガス、もやし、肉類など

アスパラギン(Asparagine: N or Asn )

アスパラギンの効果

  • 分 類:非必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:H2NCOCH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:アスパラギン酸がアンモニアと結合してアスパラギンになる。アンモニアの毒性を抑える。乳酸などの疲労物質をエネルギーに変えるクエン酸回路に働きかける。
  • 効 果:持久力向上、尿の排出促進、筋肉や内臓タンパク質の合成、乳酸による筋肉疲労や冷え症・頭痛を緩和する。
  • 食 品:肉類、大豆、牛乳、じゃがいもなど

セリン(Serine: S or Ser )

セリンの効果

  • 分 類:非必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:HOCH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:絹糸に含まれる成分、グリシンからも作られる、多くの酵素成分、脂肪と結合(リン酸塩)してホスファチジルセリンになる(脳を蘇生させる)
  • 効 果:メチオニンとともにシステインを作る、アルツハイマー病・認知症予防、睡眠の質向上、美肌、
  • 相 性:レシチン(リン脂質)、ビタミンB群
  • 食 品:大豆、牛乳、かつお節、いくらなど

グルタミン酸(Glitamic Acid: E or Glu )

グルタミン酸の効果

  • 分 類:非必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:HOOCCH2CH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:興奮系神経伝達物質の1つで記憶や学習に重要な役割、脳虚血症などの病的状態で神経毒として作用することもある、血液脳関門は通過しない、マグネシウムが欠乏すると毒性によりうつ病発症の可能性、小腸でエネルギー代謝をして、あまり血中には入らない
  • 効 果:アラニン、アスパラギン酸、セリン、アルギニン、グルタミンを作る、うまみ成分、急性胃腸炎回復、アンモニアの解毒、脂肪の蓄積抑制、血圧降下、脳の活性化、美肌効果
  • 相 性:+マグネシウム(欠乏すると毒性を発揮)
  • 食 品:海藻、緑茶、イワシ、トマト、白菜など

グルタミン(Glutamine: Q or Gln)

グルタミンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:H2NCO-CH2CH2CH(NH2)COOH
  • 特 徴:グルタミン酸がアンモニアと結合して作られる。
  • 効 果:糖の感受性を高める、大腸の蠕動運動のエネルギー源、急性胃腸炎の回復、DNA・RNAの原料、疲労回復、筋力アップ、免疫力アップ、ケガの治癒力アップ
  • 相 性:+グルタミン酸、+アスパラギン酸
  • 食 品:肉類、魚類、卵、海藻、大豆、チーズ、トマトなど

プロリン(Proline: P or Pro )

プロリンの効果

  • 分 類:必須・異節環状アミノ酸
  • 化学式:(C4H8N)-COOH
  • 特 徴:表皮細胞増殖促進活性、コラーゲンの合成促進、破壊したコラーゲンの修復、
  • 効 果:コラーゲンの原料、角質層の保湿作用、潤い作用、弾力性、脂肪燃焼を促進、関節痛の改善、美肌効果
  • 相 性:+グリシン、+リジン、+アルギニン、+ビタミンC
  • 食 品:動物性ゼラチン(コラーゲン)、豚肉、大豆タンパク質など

グリシン(Glycine: G or Gly )

グリシンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:H2NCH2COOH
  • 特 徴:原始的な不斉炭素をもたない唯一のアミノ酸、最大サイズのアミノ酸、通常のタンパク質には微量しか含まれない、コラーゲンは3分の1がグリシンで構成される
  • 効 果:コラーゲンの主要成分、DNA・RNAの原料、脂肪燃焼、筋力アップ、疲労回復、美肌、基礎代謝アップ、中枢神経系での抑制性神経伝達物質
  • 食 品:牛スジ、豚足、鶏軟骨、エビ、カニなど

アラニン(Alanine: A or Ala )

アラニンの効果

  • 分 類:必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:CH3CH(NH2)COOH
  • 特 徴:ほとんどのタンパク質にある、糖代謝で発生するピルビン酸により合成、トリプトファンの代謝過程でも発生、
  • 効 果:糖代謝を高める(グルコース・アラニン回路の主要成分)、脂肪燃焼を促進、肝機能を強化、アルコール分解(しじみに多い)、前立腺肥大症・頻尿の改善の医薬品成分
  • 相 性:リジン、プロリン、アルギニン
  • 食 品:しじみ、あさり、カニ、海苔、牛豚レバーなど

アルギニン(Arginine: R or Arg )

アルギニンの効果

  • 分 類:非必須・脂肪族アミノ酸
  • 化学式:H2N(=NH)NHC3H6CCH(NH2)COOH
  • 特 徴:子供は体内で合成できないため必須アミノ酸となる、
  • 効 果:血管の老化防止、肥満の改善、筋力アップ、疲労回復、乳酸抑制、脂肪燃焼を促進、生活習慣病の予防、成長ホルモンの分泌促進
  • 食 品:大豆、ゴマ、ナッツ類、鶏肉、エビ、牛乳など

その他アミノ酸の特徴と効果

オルニチン (Ornithine: Orn )

オルニチンの効果

  • 分 類:非タンパク質(遊離アミノ酸)
  • 化学式:H2N(CH2)3CH(NH2)COOH
  • 特 徴:タンパク質を作らないアミノ酸、アルギニンの分解で作られる、尿素回路を構成する
  • 効 果:成長ホルモンの促進(誘導体)、睡眠の質の向上、コラーゲンの合成を促進、二日酔いの予防(しじみに多い)
  • 相 性:+アルギニン、+アラニン
  • 食 品:しじみ、ヒラメ、チーズ、パンなど

 クレアチン(Creatine: Cr )

クレアチンの効果

  • 分 類:非タンパク質(遊離アミノ酸)
  • 化学式:NH2-C(=NH)-N(CH3)-CH2(COOH)
    徴:アルギニン、グリシン、メチオニンがクレアチンの合成に関与。肉と魚に多く植物には含まれない、糖のと同時摂取で骨格筋への取込みが促進
  • 効 果:エネルギー源、瞬発力などの効果
  • 相 性:+アルギニン、+グリシン、+糖
  • 食 品:にしん、サケ、たら、ヒラメ、カレイ、鶏肉、牛肉など
  • リンク:クレアチン効果を高めるプロ選手のHMBカルシウムの活用法

アミノ酸の6つの分類

1、必須・非必須の分類

 必須  体内で合成
できない
バリンロイシンイソロイシンリジンメチオニンフェニルアラニントリプトファンヒスチジンスレオニン
 非必須  体内で合成
できる
チロシンシステインアスパラギンアスパラギン酸セリングルタミングルタミン酸プロリングリシンアラニンアルギニン

必須アミノ酸が1つでもなくなると、タンパク質の合成はストップする。

2、タンパク質合成と遊離アミノ酸

アミノ酸のすべてがタンパク質になるわけではない。ある一定量は遊離アミノ酸として血中や各組織に存在する(アミノ酸プールという)。タンパク質に組み込まれたアミノ酸は、不活発で単独の機能性はない。一方遊離は、様々な機能を発揮するために血中や各組織で待機する。遊離アミノ酸が不足すると、筋肉を分解して遊離アミノ酸を作り出す特徴がある。

筋細胞内の遊離アミノ酸濃度

  必須アミノ酸 濃度(μmol/L細胞内水)  非必須・ほか*  濃度(μmol/L細胞内水)
 バリン  320  アルギニン  680
 ロイシン  225  アラニン  2860
 イソロイシン  110  アスパラギン酸  1650
 リジン  1110  アスパラギン  420
 メチオニン  60  グルタミン酸  3960
 トレオニン  770  グルタミン  19970
 フェニルアラニン  85  グリシン  1660
 チロシン  122  オルニチン*  350
 ヒスチジン  430  セリン  900
 全合計 53362  タウリン* 17680

Rennie MJ.(1996)Influence of exercise on protein and amino acid metabolism.In:Handbook of Physiology,Section 12:Exercise:Regulation and integration of Multiple Systems(Rowell,L.B.&Shepherd,J.T.,eds),pp995-1035,Oxford University Press,New York.

3、結合による分類

アミノ酸の分子構造の特徴は、分子内に「アミノ基(NH2)」と「カルボキシ基(COOH)」をもつことだ。分子の中心にある炭素とアミノ基・カルボキシ基との結合の位置により3つに分類される。しかし人間は、全てα-アミノ酸である。

 α-アミノ酸  アミノ基とアルボキシ基が同じ炭素に結合している
 β-アミノ酸  アミノ基がついた炭素とカルボシキ基のついた炭素が隣り合わせ
 γ-アミノ酸  上記の間にもうひとつ炭素を挟む

α-β-γ-アミノ酸

 

4、分子構造による分類

 脂肪族アミノ酸  必須 スレオニン、リジン、
 非必須  グリシン 、アラニン、セリン、アルギニン、アスパラギン、
アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、
 分岐鎖  バリン、ロイシン、イソロイシン(BCAA/必須アミノ酸類)
 含硫  システイン(非必須アミノ酸)、メチオニン(必須アミノ酸)
 芳香族アミノ酸  必須  フェニルアラニン
 非必須  チロシン
 異節環状アミノ酸  必須  トリプトファン、ヒスチジン
 非必須  プロリン

脂肪族アミノ酸:炭素鎖でつながっているもの、枝分けれしているものを分岐鎖、硫黄を含むものを含硫と呼ぶ。
芳香族アミノ酸:分子構造の中にベンゼン環(炭素と水素が結びついた環)をもつ
異節環状アミノ酸:分子構造の中に2種類以上の原子からなるベンゼン環をもつ

5、機能性(効果)の種類による分類

上記の分類とは別に、基本機能が4つに分けられる。

 呈味機能  うまみ調味料、甘味料、フレーバーなど
 栄養機能  栄養補助食品、医療結輸液、経腸栄養剤など
 生理機能  代謝促進ならびに正常化、胃粘膜生成促進、各ホルモン分泌促進など
 反応機能  医療品合成剤、界面活性剤などの合成素材として

6、異化と同化による分類

いくつかのアミノ酸が合成されて細胞や血液などをつくります。これを「同化」といいエネルギーを消費します。一方「異化」は、細胞をアミノ酸まで分解することをいいます。古くなった細胞の分解や、エネルギーを作りだすための分解などがあります。「同化」はエネルギーを使って細胞を合成し、「異化」はエネルギーを作りながら細胞を分解するといいうものです。

この記事に関するキーワード

コメント

「【アミノ酸の効果一覧】身体機能の向上、ケガの治癒、病気を改善するアミノ酸」に対する2件のコメント