手首の骨折とは、どこの骨折?
手首は8つの骨によって構成されています。さらに7つの骨が手首に接しています。どの部分を骨折したかによって、症状などに与える影響が変わってきます。
目次
手首8つの手根骨(しゅこんこつ)
- 大菱形骨(だいりょうけいこつ)
- 小菱形骨(しょうりょうけいこつ)
- 有頭骨(ゆうとうこつ)
- 有鈎骨(ゆうこうこつ)
- 舟状骨(しゅうじょうこつ)
- 月状骨(げつじょうこつ)、
- 三角骨(さんかくこつ)
- 豆状骨(とうじょうこつ)
そこに前腕の2本の骨(親指側の橈骨/とうこつ、小指側の尺骨/しゃくこつ)、手のひらの5本の中手骨が接しています。手首の骨折には、それらの骨が含まれることがあります。
手首の骨折で気をつけること!
手首の骨折の合併症
手首を骨折したときは、骨折単独ではなく靭帯や腱を巻き込んで起こることがあります。また外傷をともなう複雑骨折や開放骨折の場合は、感染症などの合併症を起こすこともあります。
完全に折れた完全骨折ではなく、ヒビなどの不完全骨折の場合は、腱鞘炎や捻挫と勘違いして処置が遅れたり、気づかないまま固まったりすることがあります。
捻挫の症状に違いがあります。「【手首の骨折】捻挫との症状の違い!」
手首の骨折の種類
手首の骨折に多いのが、ヒビなどの「不完全骨折」です。完全骨折部が一ヵ所だけの「単純骨折」や、複数ヵ所が骨折した「複合骨折」、折れた骨が皮膚外に飛び出している「開放骨折」などあります。
手首は構造が複雑なだけに、手首に異常を感じたときは、しっかり検査して状態を確認してください。
骨折の種類は「骨折の種類と特徴!」でご紹介しています。
手首の骨折の症状
手首の骨折の症状は、骨折の種類によっても違いがありますが、主な症状としては「痛み」「腫れ」「熱感」「内出血」などがあります。また特徴として、靭帯や腱の損傷をともなうことがあります。
ヒビなどの不完全骨折とは違い、完全に骨折している場合は「異常可動性(いじょうかどうせい)」「軋轢音(あつれきおん)」「変形」「ピンポイントの痛み」という症状もあります。
手首の骨折の治療法
手首の骨折の治療は、自然治癒力によって癒合させるのが基本です。
応急処置
応急処置は症状の悪化を防ぎます。骨折部がズレると治療行程が増えて、治療期間が長引きます。 まずは副木で手首の関節を固定します。その上で三角巾を首から吊り、肘部分の動きも制限しましょう。熱や痛みがある場合は、アイシングをすることも忘れずに!
整復治療
手首の骨折の治療では、最初に骨折部がズレているかどうかによって判断されます。ズレていなければ、そのまま固定します。ズレている場合は、整復治療がおこなわれます。
骨を元の位置にもどす整復は2種類あります。皮膚の上からおこなう徒手整復(としゅせいふく)による「非観血的整復」、手術による「観血的整復」です。
非観血的整復の基本は、麻酔を使い手で行います。筋肉に引っ張られて手で整復できないときは、器具を使い牽引により整復を行います。整復が済めば、あとは固定するのみです。
固定治療
骨折部の固定は「外固定」と「内固定」の2種類があります。
外固定はギブスなどによる固定です。手首の外固定はグラスファイバーや石膏が使われますが、現在は耐久性・耐水性・軽さなどの理由から、グラスファイバー製のギブスが主流になっています。
内固定は手術による固定です。切開をしてステンレスやチタンなどの金属のピン、ワイヤー、スクリュー、プレート、ロットなどを使い骨折部を固定します。観血的整復の手術時にも使われます。
手首の骨折の手術
手首の骨折の手術は、複雑骨折や複合骨折時に行われます。特にそのままでは固定できない場合や、開放骨折などの外傷をともなう場合です。外傷があるときは、感染症の対策が必要です。
痛みに対する治療
痛みはストレスになり、脳内ホルモンにも影響をあたえます。そのため無理はせず、アイシングなどで鎮痛しましょう。改善しないときは医師と相談して、鎮痛剤や注射による鎮痛も検討してください。
手首の骨折の治療期間
手首骨折の治療期間の目安は「3ヶ月」です。癒合に1ヶ月、リハビリに2ヶ月が、完治までの基本的な治療期間になります。しかし治療期間は、個人差や年齢、治療内容により大きく変わります。
小中学生であれば、目安期間よりも2~3割ほど早く完治します。反対に高齢になればなるほど、治療期間が長くなる傾向にあります。 またリハビリを毎日するのか、週に2~3回なのか、骨折の回復を早めるための栄養摂取はできているかいないか、などにより治療期間は変わります。
手首の骨折の完治を早める治療
手首の骨折の完治を早めるには、患部付近の細胞を活性化することが大切です。そのためには患部周辺の血流を良くして、酸素や栄養をしっかり届けられる状態にすることです。
そのためには、骨折部に影響がない範囲で動かすことが大切です。固定時は筋肉が減少するので、それを補う上でも動かしてください。さらに入浴や睡眠も重要なファクターになります。
さらに外出して日光を浴びることで、ビタミンDの合成が促進されます。 また骨折の早期完治と栄養については「骨を強くする!骨密度を増やす3つのポイント!」でご紹介しています。
手首の骨折の完治を遅らせるもの
喫煙、過度の飲酒、暴飲暴食、引きこもり、寝すぎ、家の中でゴロゴロなどは、手首の骨折の完治を遅らせることになります。
手首の骨折のリハビリ期間を早める方法!
リハビリ期間は、癒合の2~3倍ほどかかります。落ちた筋肉を戻し、手首の腱がスムーズに動くようにするには、それなりの時間が必要です。
リハビリ期間を早める方法は、ギブスなどで固定している期間でも、細目に動かすことです。また癒合後のリハビリ内容と頻度を高めることです。無理のない範囲で毎日できる限りのことをしましょう。
その他、コラーゲンなどの必須栄養素の摂取です。修復時は大量の栄養を消費するため不足気味になります。さらに、超音波や酸素カプセルなども細胞の活性には有効と考えられています。
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初めまして、今年60になります。おととい左手首の粉砕骨折をしました。今は痛みもあり、鎮痛剤で過ごしております。来週月曜日に入院して、
火曜日に手術予定です。全身麻酔で行うとの事です。何か注意又はアドバイスがあればお願いします。
誠に申し訳ございませんが、診断をしているわけではないので、どのような症状なのか分かりません。また手術内容も分からないので、コメントのしようがありません。
しかし60歳ということであれば、骨密度と回復力が低下しているものと想像できます。手術をして終わりではないので、術後のケアをしっかり行ってください。まずはⅠ型コラーゲンの摂取を行っては如何でしょうか?
回答にならなくて申し訳ございません。
こんにちは、質問です。マネージャーをやっていますアンと申します。
選手が、練習中に踏まれて痛めた右手を診てもらったところ有鈎骨にヒビが入っていました。練習に参加するみたいですが、少しでも痛みを緩和するためにはテーピングは効果的でしょうか?また、どのようなテーピングがよいでしょうか。
テーピングでは、多少固定することはできますが、練習をしたのでは症状が悪化する恐れがあります。どうしても練習をするのであれば別メニューで行っては如何でしょうか。無理して動かすと、他の部分に影響がでます。
右手首骨折してます。約2週間になりますけど、指先のしびれが取れません、箸も持てません。ギブスもしてます63才男性です。
症状は2週間以上続くことも珍しくないと思います。しびれの原因としては患部の炎症や腫れによる圧迫、または骨折時に神経が損傷したことが考えられます。無理をせず、栄養バランスの取れは食事、またはサプリメントでの栄養の補助摂取が大切になります。