骨折の種類と特徴!

骨折の種類

 

骨折には色々な種類があって、よく分からないですよね!勘違いしていることも多いようです。骨折の種類は、原因、折れ方、部位によって分けられます。骨折の種類によって症状や治療法にも違いがあるため、 まずは骨折の分類方法についてみていきましょう。

◀◀◀ そもそも「骨折」とは?

骨折の種類(分類方法)

7つの分類と21の種類

骨折の種類によって治癒期間が異なります。分類方法は原因や状態によって7つに分けられます。さらに細かく分けると21種類、部位名での呼称も入れると、骨折の種類はさらに多くなります。

<分類> <骨折の種類と概要>
発生原因 外傷骨折、疲労骨折、病的骨折
スポーツで起こしやすいのが、外から力が加わったことによる「外傷骨折」と、同じ部分に繰り返し力が加わったことによる「疲労骨折」です。その他、骨肉腫や胃骨粗しょう症などの病気による「病的骨折」があります。
部位 骨幹部骨折、骨端部骨折、関節骨折、腰椎骨折、腰部骨折、鎖骨骨折など
骨の折れた部分による分類は、骨の中央付近で折れた「骨幹部骨折」、骨の端部分で折れた「骨端部骨折」、関節部で折れた「関節骨折(脱臼骨折含む)」の3つです。
完全性 完全骨折、不完全骨折
完全性による分類は、完全に骨が断裂している「完全骨折」と、亀裂骨折や骨膜下骨折などの断裂していない「不完全骨折」の2つです。骨にひびが入った状態は不完全に分類されます。
開放性 開放骨折、閉鎖骨折
開放性による分類は、折れた骨が皮膚を突き破り、体外に露出している「開放骨折」と、露出していない「閉鎖骨折」の2つです。通常スポーツでは閉鎖性が多く、開放性では治療が困難な「難治化骨折」や「複雑骨折」という診断もあります。
骨折線 単純骨折、粉砕骨折、複合骨折、重複骨折など
骨折線による分類は、骨の1部分しか折れていない「単純骨折」(または単独骨折)と、1つの骨に複数ヵ所の骨折線がある「複合骨折」の2つです。複合は「重複骨折」ともいわれ、細かく折れている場合を「粉砕骨折」といいます。
骨折方向 横骨折、縦骨折、斜骨折、螺旋骨折
骨の長辺ラインに対する骨折線の方向による分類で、骨折線がラインに対して直角の「横骨折」、平行の「縦骨折」、斜めの「斜骨折」、らせん状の「螺旋骨折」能力4つです。
外圧の種類 せん断骨折、圧迫骨折、捻転骨折、屈曲骨折、剥離骨折
外からの力の加わり方による分類で、骨の長辺ラインに対して垂直方向に力が加わったことで折れる「せん断骨折」、骨が外圧や自重で押されるように折れた「圧迫骨折」、骨に捻じれるような力が加わり折れるのを「捻転骨折」、骨に折り曲げるような力が働くことで折れる「屈曲骨折」、腱や靭帯が引っ張られ骨との結合部分が引き裂かれる「剥離骨折」の5つです。
その他 複雑骨折、難治化骨折、その他
折れた患部が皮膚外に露出している開放骨折とともに、周りの腱・靭帯・筋膜・神経・血管などの軟部組織も損傷しているものを「複雑骨折」、細菌感染や合併症を伴っているものを「難治化骨折」といい、ともに治療を困難にしています。

骨折の原因による種類

外傷骨折(がいしょうこっせつ)

外から力が加わったことで起こる骨折を「外傷骨折」といいます。体当たりや交通事故などによる骨折がこれにあたります。ただし病的要因がある場合は、病的骨折になります。

疲労骨折(ひろうこっせつ)

同じところに、繰り返し外力が加わることで起こるのが「疲労骨折」です。弱い力でも続けて力が加わると脆くなっていきます。そのため不全骨折や亀裂骨折になりやすいのが特徴です。

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病的骨折(びょうてきこっせつ)

骨肉腫などの病気によって、骨の耐久性が低下することで起こる場合を「病的骨折」といいます。健康な骨では問題ない力でも、骨が弱くなっているので折れやすくなります。

骨折部位による種類

骨幹部骨折と骨端部骨折
骨幹部骨折(こつかんぶこっせつ)

骨の中央付近での骨折を「骨幹部骨折」といいます。

骨端部骨折(こつたんぶこっせつ)

骨の端側の骨折を「骨端部骨折」といいます。両端の内、体幹に近い方の骨折を「近位端骨折」、遠い方を「遠位端骨折」といいます。体幹内では上部を近端位とします。

関節骨折(かんせつこっせつ)

関節部の骨折のことをといい「脱臼骨折」も含まれます。

骨折の完全性による種類

完全骨折と不全骨折
完全骨折(かんぜんこっせつ)

完全に骨が断裂している状態を「完全骨折」といいます。

不全骨折(ふぜんこっせつ)

完全に断裂していない骨状態を「不全骨折」といいます。ヒビが入った状態の「亀裂骨折」、骨本体は折れていても骨膜に損傷がない状態の「骨膜下骨折」などがあります。

開放性による種類

開放骨折と閉鎖骨折
閉鎖骨折(へいさこっせつ)

骨折部分が体外に出ていない骨折を「閉鎖骨折」といいます。骨が露出している「開放骨折」と比べて使われます。

開放骨折(かいほうこっせつ)

骨折部分が体外に露出している骨折を「開放骨折」といいます。放置すると感染症や出血多量により死に至るため、緊急手術が必要になります。 「複雑骨折」に該当します。

骨折線の数による種類

単純骨折と複合骨折
単純骨折(たんじゅんこっせつ)

1ヵ所しか折れていない場合を「単純骨折」といいます。いわゆる骨折線が1つしかない状態です。複数の骨折でも、1つの骨の骨折が1ヵ所ならば単純骨折になります。

複合骨折(ふくごうこっせつ)

1つの骨が複数ヵ所折れている場合を「複合骨折」といいます。骨折線が複数本ある状態で「重複骨折」と呼ばれます。細かく折れている複合は「粉砕骨折」ともいいます。  

骨折の方向による種類 

骨折線による分類
横骨折(よここっせつ)

骨折ラインが骨の長辺に対して、ほぼ直角に折れている骨折を「横骨折」といいます。

縦骨折(たてこっせつ)

骨折ラインが骨の長辺に対して、ほぼ平行に折れている骨折を「縦骨折」といいます。

斜骨折(しゃこっせつ・ななめこっせつ)

骨折ラインが骨の長辺に対して、ほぼ斜めに折れている骨折を「斜骨折」といいます。

螺旋骨折(らせんこっせつ)

骨折ラインが骨の長辺に対して、らせん状に折れている骨折を「螺旋骨折」といいます。  

外力のかかり方による種類 

剪断骨折 (せんだんこっせつ)

骨の長辺に対して、垂直方向に滑るような力が働いたときに起こる骨折を「せん断骨折」といいます。(せん断とは剪断応力またはシャー応力のことです)

圧迫骨折 (あっぱくこっせつ)

骨が押されるように、圧迫されることで起こる骨折を「圧迫骨折」といいます。骨粗鬆症などで骨が脆くなると、日常的な弱い力でも圧迫骨折のリスクが高まります。

捻転骨折(ねんてんこっせつ)

骨に捻じれるような力が働いたことで起こる骨折を「捻転骨折」といい、螺旋骨折(らせんこっせつ)になりやすい特徴があります。

屈曲骨折(くっきょくこっせつ)

骨を折り曲げるような力が働いたことで起こる骨折を「屈曲骨折」といい、複合骨折になりやすい特徴があります。複合の状態によっては手術が必要になります。

剥離骨折 (はくりこっせつ)

骨に直接的な力が働いたのではなく、筋肉・じん帯・腱などが引っ張られたことで、骨との結合部分が引き裂かれることで起こる骨折を「剥離骨折」といいます。状態によっては手術が必要になります。

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その他の種類 

複雑骨折 (ふくざつこっせつ)

治療が複雑になる骨折を「複雑骨折」といい、開放骨折に多く、感染症や輸血などの治療を同時に行います。複雑に折れた骨折と間違えられますが、それは「複合骨折」や「重複骨折」です。

  ▶▶▶ 「骨折の症状と治療法」に続く!  

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