「胸椎圧迫骨折」は、なんども繰り返すことがあります。
普通の骨折は、骨がくっつけば完治・治療終了です。しかし胸椎圧迫骨折は「後遺症」の方が怖いかもしれません。そのリスクを低下させる「予防法」が期待されています。
目次
胸椎圧迫骨折の後遺症
胸椎圧迫骨折は、骨密度低下の1症状にしか過ぎません。胸椎圧迫骨折の治療の基本である「安静」が、さらに骨密度を減少させます。そによよりさまざまな「後遺症」を発生させることになります。
背骨のゆがみや潰れ!
圧迫骨折によって脊椎が潰れることで、背骨が歪んだり曲がったりします。骨密度が低下すると、さらにゆがみや曲がりは進行していきます。背骨が横に曲がるのを「脊椎側弯症」、後ろに曲がるのを「脊椎後湾症」といい、神経を圧迫して「神経痛」をともなうことも珍しくありません。
神経麻痺や神経痛
圧迫骨折によって潰れた骨が、神経を圧迫することがあります。それにより「神経麻痺」や「シビレ」などの神経障害を引き起こすします。重症化すると、歩行障害や血行障害のリスクが高まります。
歩行障害
胸椎圧迫骨折が治る過程で、神経を圧迫したまま固まることがあります。歩行時に激痛がともなうことで、歩行のみならず立ち上がることさえ、辛くなることがあります。その場合は手術が検討されます。
消化器官の機能低下
背骨が曲がることで、消化器官を圧迫して消化機能を低下させることがあります。逆流性食道炎や胸やけなどが、初期症状として現れます。またその他の臓器にも悪影響を与えることがあります。
便や尿の失禁
神経の圧迫で、膀胱直腸障害が起きた場合、尿意や便意を感じづらくなるため、便や尿などの失禁を引き起こします。失禁やオムツの恥ずかしさから、外出が少なくなると骨密度の低下を加速させます。
認知症
胸椎圧迫骨折の治療方針は「安静」です。そのため外出が極端に減り、他人と接する機会少なくなるため「認知症」のリスクが高まります。認知症の方は、悪化しますので充分なケアが必要です。
胸椎圧迫骨折を予防するポイント!
- 骨密度の低下を抑える!
- 骨密度をアップさせる!
骨密度の低下を抑える!
骨密度が低下するのは、骨を分解す破骨細胞と、骨を作る骨芽細胞のバランスが崩れることで起こります。その原因は「代謝の低下」「ホルモン分泌の変化」「栄養不足」「運動不足」などです。
その原因が、骨内のタンパク質量の減少を引き起こして、支えがなくたったカルシウムは流出します。つまり骨タンパク質の代謝を維持できれば、骨密度の低下は防げます。
骨密度をアップさせる3つのポイント!
- 骨を形成させる栄養をとる
- 運動で骨に負荷をあたえる
- 表に出て太陽の光を浴びる
骨を形成させる栄養とは「Ⅰ型コラーゲン(骨タンパク質)」、コラーゲンを合成する「ビタミンC」、タンパク質の代謝を上げる「ビタミンB」です。積極的にとることで、改善が期待されます。
骨は負荷をかけなくては、骨密度は上がりません。退化とは逆に、使うことで栄養が集中してきます。毎日の運動を欠かさないように!ただし胸椎圧迫骨折のときは、様子をみながら慎重に行いましょう。
さらに、カルシウムを吸収させるには「ビタミンD」が必須です。ビタミンDは太陽光を浴びることで、体内合成されるビタミンです。毎日1時間ぐらいは、太陽光を浴びるようにしましょう。
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