カルシウムを食べると骨が丈夫になる?それは間違った知識かもしれません!カルシウムを大量にとっても骨密度はあがりません。骨折のリスクを減少させることも、骨折を早く治すこともできません。その理由を知ることで、骨折の早期治療にはサプリが重要になることが理解できます。
目次
丈夫な骨はタンパク質が豊富!
カルシウムは無機質で、それだけでは構造を維持できません。石灰のようにボロボロと崩れやすい性質をしています。そのためタンパク質がネット状の土台になり、カルシウムを抱え込んでいます。骨重量の30%を占める骨タンパク質は「ファイバープロテイン」といわれ、強い衝撃でも骨折しない構造になっています。
骨折に効く成分
ある実験では、骨折したマウスにファイバープロテインを摂取させたところ、治療期間を短縮することが明らかになりました。
骨のファイバープロテインは「Ⅰ型コラーゲン」を主体とした繊維状タンパク質で、実験はコラーゲン単独投与で行われました。さらにコラーゲン合成や骨代謝を高める成分を配合することで、骨折の予防や完治期間の短縮が期待されます。
骨が作られるしくみ!
強い骨の構造とは?
骨を構成する成分は、カルシウムとリンが約70%、タンパク質が約30%(水分除く)です。一般的に「骨=カルシウム」と思われますが、タンパク質が骨構造を作っています。そのためカルシウムだけをとり過ぎると、石灰化を起こすことがあります。
コラーゲンが骨の柱を築き、そのすき間にカルシウムがはまり込んでいます。それが骨の柔軟性や弾力性を高め、骨折しづらい構造体なのです。反対にコラーゲンの少ない骨は、カルシウムが定着できず骨密度が下がり、もろく骨折しやすくなります。
骨の新陳代謝
骨は常に新しく生まれ変わっています。分解と合成を繰り返す「骨代謝」は、破骨細胞が出すコラゲナーゼという酵素によって、コラーゲン繊維を溶かします。支えを失ったカルシウムたちは骨から転げ落ちるように排出されます。
その腔間に骨芽細胞がコラーゲンを合成し、コンドロイチンによってカルシウムが運ばれてきます。その後コンドロイチンは水分を放出し、カルシウムは骨に定着します。
骨折しやすい原因
骨密度(カルシウム量)を低下させるコラーゲンの減少は、加齢、ストレス、活性酸素、ホルモンの変化、睡眠不足、栄養不足などで起こります。それらはコラーゲン線維を劣化(老化架橋)させ、骨芽細胞の不活発によりコラーゲン合成力が低下します。
閉経後の女性が骨粗鬆症になりやすいのは、女性ホルモンのエストロゲンの減少によって、骨芽細胞や繊維芽細胞(皮膚などでコラーゲンを作る細胞)が刺激を受けなくなるからです。
コラーゲンをサプリでとる2つの理由
栄養をとる上で、なせサプリでとる必要があるのでしょうか?食事からはとれないのでしょうか?という質問がよくあります。その理由は2つです。1つは食品のコラーゲンには、脂質が多く含まれているということです。もう1つは消化に時間がかかるということです。その2つの理由から、骨折リスクを減らして骨を丈夫にするには、コラーゲンを中心にしたサプリが重要と考えています。
骨の栄養学!
骨細胞を活性化させる
骨折に強くなるには、コラーゲン合成を増やす必要があります。そのためにはコラーゲンを経口摂取(食べる&飲む)することが有効とされます。ある研究報告では、マウスにコラーゲンを与えたところ、コラーゲン合成が活発になったことを示しています。
それは東京農工大の白井名誉教授や西北林学院大学の高橋名誉教授らの研究でも明らかにされました。
骨を構成する栄養成分
骨の主要成分(栄養素)
骨の 成分 | 骨の表面 | 骨の内部 | 必要栄養素 | |
水 分 | 15% | 30% | 水 | |
無機物 | リン酸カルシウム(85%) | 50% | 40.8% | カルシウム、VD、VA、 マグネシウム、 |
炭酸カルシウム(10%) | ||||
リンマグネシウム(1.5%) | ||||
有機物 | コラーゲン繊維 | 30% | 23% | コラーゲン、VC、鉄、VA |
多糖体 | 5% | 6.2% | コンドロイチン硫酸 |
骨折に強いサプリ成分
ビタミン/ミネラル | 適量 | 必要なビタミン・ミネラルを活性化するために必須 |
コラーゲン | 3000mg | サプリメントで摂取、緊急を要する場合は6g~10g 食品からは30g |
ビタミンC | 3000mg | 総合ビタミンCにプラスする |
コンドロイチン | 2000mg | 一般食品で代用可能、こんぶなどのヌルヌル系 |
カルシウム | 600mg | カルシウムは一般食品からがおすすめ |
マグネシウム | 300mg | 一般食品からの摂取がおすすめ、総合ミネラルにも含有 |
鉄 | 10mg | 総合ミネラルで摂取できる |
ビタミンA | 10000IU | 総合ビタミンで充分、個別にサプリでの摂取は危険 |
ビタミンD | 700IU | 日光に当たることで合成される |
骨折に強いサプリ
①総合ビタミンと総合ミネラル(鉄やその他のミネラルとビタミン含む)
②ファイバープロテイン(Ⅰ型コラーゲンサプリ)
③ビタミンC(多めに必要なので総合ビタミンにプラス)
④コンドロイチン(ムコ多糖体)
これらをバランスよくとることが、骨折を早く治し骨を丈夫にする秘訣です。 さらに運動で骨に力を加えることで、骨芽細胞に刺激を与え活性化することが分かっています。 サプリメントを活用することで、丈夫な骨を作ることが可能でです。
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「骨折に効くサプリと折れない骨の栄養学!」に対する11件のコメント