基礎栄養素「ビタミン」これがないと三大栄養素は機能しない。(タンパク質、脂質、炭水化物)不足すると体調は一気に崩れる。過剰にとっても問題が発生!正しい摂取で、あなたのスキルは確実にアップする。
目次
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン
ビタミンは水に溶ける「水溶性ビタミン」と脂に溶ける「脂溶性ビタミン」がある。またビタミンは互いに協力し合いながら機能するので、総合的にとるのが望ましい。*リービッヒの最小律法則
水溶性ビタミン | 脂溶性ビタミン |
ビタミンB1 | ビタミンA |
ビタミンB2 | ビタミンD |
ビタミンB6 | ビタミンE |
ビタミンB12 | ビタミンK |
ナイアシン | |
パントテン酸 | |
葉 酸 | |
ビオチン | |
ビタミンC |
ビタミンA(レチノール、カロチノール)
ビタミンAの特徴と働き
・脂溶性で肝臓に貯蔵することができる
・体内吸収にはミネラルと脂質が必要
・2種類ある(動物性のレチノール、両性のカロチン)
・抗酸化物質が不足すると機能しない
・ビタミンA摂取後、4時間以内の激しい運動は避ける(吸収を阻害する)
ビタミンAの効果と摂取
・免疫力の強化:免疫を適切に機能させ、呼吸器の感染抵抗力も強化
・抗酸化作用:ビタミンCの酸化を抑えるなど、抗酸化を助ける
・目の健康:視力低下を防ぎ、目の障害の治療を助ける
・皮膚の健康:皮膚の健康を維持し、皮膚免疫を強化する
・成長促進:骨、髪、歯などを丈夫にする
・外用として、ニキビ、シワ、皮膚潰瘍治療の補助など
・ビタミンB群/D/E、カルシウム、リン、亜鉛と一緒で最高の働きをする
ビタミンAを摂取してはいけない人
・妊婦が過剰摂取すると異常出産の原因に、βカロチンでとれば問題ない
・激しい運動は吸収を阻害する、摂取から4時間以上あければ問題ない
・範囲の広い抗生物質の服用者
・ペットには与えない
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
植物性(ベータカロチンなど)では毒性はない
動物性の場合は毒性がある
成人の場合50000IU(子供は18500IU)を毎日何ヶ月もとり続けた場合、髪が抜ける、嘔吐、下痢、皮膚がウロコのように剥げ落ちる、発疹、骨が傷む、 生理不順、疲労、頭痛、肝臓肥大など。妊婦は角化性皮膚疾患に使うビタミンA剤(パルミチン酸レチノール、エトレチナート)で奇形発現の可能性があるので使用しないこと
不足の症状(欠乏症)
眼球乾燥症 夜盲症 皮膚乾燥 免疫低下など、ビタミンCの損失
推奨摂取量
・成人男子 5000IU/1日 (IUは0.3㎍、㎍は100分の1g)
・成人女子 4000IU/1日
・コレステロール降下薬はビタミンAの吸収を妨げるので2倍増量
・植物性のベータカロチンからとるのが望ましい(毒性がない)
(ビタミンAのIU=0.3μg、1000μg=1mg、1000mg=1g)
ビタミンAを多くむ食品
レバー、人参、緑黄色野菜、さつまいもなど
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1の特徴と働き
・水溶性で余分なものは尿で排出される、毎日の摂取が必要
・他のビタミンB類と相乗効果が高く、精神的ビタミンの代表格
・軽い利尿作用がある、熱に弱い
・糖代謝や分岐鎖アミノ酸(BCAA)代謝をする酵素の働きを助ける
・神経や筋肉にエネルギーを供給する。
ビタミンB1の効果と摂取
・精神状態の安定と改善
・筋肉や心臓の機能の正常化
・乗り物酔いを防ぐ
・術後の痛みを和らげる
・帯状疱疹の治療を助けるなど
ビタミンB1を摂取してはいけない人
・甲状腺ホルモンの産出を減少させる(過剰摂取)
・糖尿病患者:過剰摂取するとインスリンが減少
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
特に毒性はないが、稀に神経過敏や脈拍の増加、アレルギー、皮膚炎など
不足の症状(欠乏症)
運動機能の低下、筋肉の衰弱や痙攣、反射神経の異常、疲労感、不安神経症、うつなどの精神疾患、皮膚免疫の低下、食欲不振、二日酔い、脚気、心臓肥大など
推奨摂取量
・成人男性の場合1.4mg/1日(1000mg=1g)
・成人女性の場合1.1mg/1日
・サプリメントとしての上限25g、下限0.3g
・病気、ストレス、術後は増量が必要
・タバコ、飲酒、砂糖はビタミンB1を大量に消費する
・妊娠中、授乳期は大量にビタミンB1を大量に消費する
ビタミンB1を多くむ食品
ビール酵母、玄米、大豆、うなぎ、野菜全般など
ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB2の特徴と働き
・水溶性で余分なものは尿で排出される、毎日の摂取が必要
・ビタミンB3/B3/Cと一緒の時、効果を最大化する
・熱・酸・酸化に強いが、光に弱い
・皮膚・粘膜のビタミン、エネルギー代謝のビタミンといわれる
ビタミンB2の効果と摂取
・成長や生殖を助ける
・肌や粘膜の保護(炎症の予防や潰瘍を治す)
・視力増進、眼精疲労を軽減する
・脂質・タンパク質・炭水化物のエネルギー代謝を促進
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
毒性はないが、稀にかゆみ、しびれ、皮膚のチクチク痛など
不足の症状(欠乏症)
成長・発育の阻害、口内炎、口角炎、舌炎、皮膚や粘膜の炎症、生殖器の病変など
推奨摂取量
・成人男性の場合1.6mg/1日(1000mg=1g)
・成人女性の場合1.2mg/1日
・サプリメントとしての上限12g、下限0.4g
・病気、ストレス、術後は増量が必要
・飲酒はビタミンB2を大量に消費する
・妊娠中、授乳期は大量にビタミンB2を大量に消費する
ビタミンB2を多くむ食品
牛レバー3.0mg/100g、アーモンド1.11mg/100g、納豆0.56mg/100g、真サバ0.28mg/100g、卵、ヨーグルト、牛乳、緑黄色野菜など
ビタミンB6(ピリドキシン、ピロドキサルなど)
ビタミンB6の特徴と働き
・水溶性で8時間以内に体内から排出される
・タンパク質摂取で必要量が増す
・吸収するにはビタミン12が必要
・植物性主体の食事で腸内細菌によっても作られる
・ビタミンB1/B2/C、パントテン酸、マグネシウムと一緒で最高に働く
・抗体や赤血球を作るには不可欠
・タンパク質と脂質の代謝をサポート
ビタミンB6の効果と摂取
・神経伝達物質の合成や神経障害の予防
・葉酸とB12が協力してホモシステインを破壊、脳梗塞や心筋梗塞のリスク下げる
・免疫システムの強化や皮膚障害の予防、腎臓結成の予防
・ビタミンB3(ナイアシン)の生成に不可欠
・筋肉の痙攣、足のひきつり、手のしびれの予防など
ビタミンB6を摂取してはいけない人
・妊婦が1日50mg以上摂取する場合、医師の指示を仰ぐこと
・パーキンソン病薬L-ドバ(レボドバ)を服用している人
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
1日2000mg以上の摂取で、神経系の障害を引き起こす可能性がある。安眠できない、夢をハッキリ見る、筋肉のつりなどのほか、筋肉の脆弱化、感覚神経障害、光過敏症、精巣の委縮、食欲不振、葉酸量低下など
不足の症状(欠乏症)
湿疹、脂漏性皮膚炎、口角炎、免疫低下、小赤血球性貧血、多発性神経炎など
推奨摂取量
・成人男性の場合1.4mg/1日(1000mg=1g)
・成人女性の場合1.2mg/1日
・サプリメントとして上限10g、下限0.5g
・妊娠中、授乳期は大量にビタミンB6を大量に消費、1.6-12.0mg
・パーキンソン病の薬(レボドバ)の効果を低下させるため摂取を控える
ビタミンB6を多くむ食品
豚肉ヒレ0.98mg/100g、豚ロース0.80mg/100g、うなぎ0.75mg/100g、生ハム0.92mg/100g、ビール酵母など
ビタミンB12(コバラミン)
ビタミンB12の特徴と働き
・水溶性の中で唯一体内に貯蔵できる
・必須ミネラルを構成要素に含む唯一のビタミン(コバルト)
・動物性から供給される(一部例外的な植物もある)
・ビタミンB群/A/E/Cと相乗効果が高い
・葉酸と組み合われると、効果的な活力剤となる
ビタミンB12の効果と摂取
・赤血球を作り悪性貧血を防止する
・神経障害を予防し、神経の健康を維持する
・葉酸とB6が協力してホモシステインを破壊、脳梗塞や心筋梗塞のリスク下げる
・成長を促進し食欲を増進させる、エネルギーを増大させる
・神経を安定させ、集中力や記憶力を高める
・喫煙による発癌リスクを軽減する
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
特になし(過去に一例も報告がない)
不足の症状(欠乏症)
悪性貧血(巨赤芽球性貧血)→症状:頭痛、めまい、吐き気、動悸、息切れ、食欲不振
抹消神経の修復力低下→症状:肩こり、腰痛、しびれ、神経痛、目の疲れなど
推奨摂取量
・成人男性の場合2.4μg/1日(1000μg=1mg、1000mg=1g)
・成人女性の場合2.4μg/1日
・サプリメントとしての上限10μg、下限0.8gμg
・ベジタリアン、月経前後の女性、多量の飲酒をする方は多めの摂取
ビタミンB12を多くむ食品
あさり63.8μg/100g、牛レバー52.8μg/100g、あまのり57.6μg/100g、カキ28.1μg/100g、秋刀魚17.7μg/100g、イワシ12.0μg/100gなど
ナイアシン(ナイアシンアミド、ニコチン酸など)
ナイアシンの特徴と働き
・以前はビタミンB3
・水溶性で体内にて作ることができ熱にも強い
・アミノ酸のトリプトファンからビタミンB1/B2/B6が協力して作る
・脂質・タンパク質・糖質の代謝を補助する
・性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン)の合成をサポート
・インスリン、コルチゾン、チロキシンの合成をサポート
ナイアシンの効果と摂取
・コレステロールと中性脂肪を減らす
・血液循環を良くし、血圧を下げる
・アルコールの分解
・片頭痛の予防と痛みの緩和
・潰瘍予防、下痢を緩和、メヌエル症候群の症状緩和など
ナイアシンを摂取してはいけない人
・重度の糖尿病、緑内障、消化性潰瘍、痛風の人は慎重に摂取
・ペットには与えない(不快感を与える)
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
・基本的に毒性はない
・副作用として顔面潮紅や皮膚がヒリヒリしたり、痒くなったりする
・尿酸コントロールを妨げ、痛風を発症または悪化させる
・血糖コントロールを妨げ、糖尿病を発症または悪化させる
・肝臓に異常をもたらす可能性もある
不足した場合の症状(欠乏症)
・人格が急にネガティブになる
・激しい皮膚炎、下痢、精神神経障害、胃潰瘍など
推奨摂取量
・成人男性の場合15mgNE/1日(1000mg=1g)
・成人女性の場合12mgNE/1日
・サプリメントとしての上限60g、下限0.8g
・妊娠中、授乳期は大量にナイアシンを大量に消費する
ナイアシンを多くむ食品
カツオ生19.0mg/100g、エリンギ8.1mg/100g、落花生17.0mg/100g、若鶏むね10.6mg/100g、赤身肉5.3mg/100g、なつめ、いちじく、プルーンなど
パントテン酸(パンテノール、ビタミンB5など)
パントテン酸の特徴と働き
・水溶性
・脂肪と糖のエネルギー代謝に不可欠
・善玉コレステロールの生成を高める
・副腎の機能を助け、副腎皮質ホルモンの合成に関与
・ナイアシンやビタミンB2と協力して皮膚や毛髪、中枢神経を正常に保つ
パントテン酸の効果
・傷の治りを早める
・抗体をつくり感染力を高める
・抗生物質の副作用や毒性を軽減する
・コレステロールと中性脂肪値を下げる
・疲労予防、関節痛の緩和、アレルギー症状の緩和
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
特になし
不足の症状(欠乏症)
筋肉痛、知覚異常や手足のしびれ、低血糖症、疲れやすい、十二指腸潰瘍、皮膚や髪のツヤがなくなるなど
推奨摂取量
・成人男性の場合6mg/1日(1000mg=1g)
・成人女性の場合5mg/1日
・妊娠中、授乳期は大量にビタミンB3を大量に消費する
・関節痛の場合1000mgで緩和する
・アレルギー症状のひどい方は1000mg+ビタミンCが効果的
パントテン酸を多くむ食品
鶏レバー生10.1mg/100g、納豆3.6mg/100g、落花生2.2mg/100g、鶏卵1.5mg/100g、ししゃも2.0mg/100g、ビール酵母、ナッツ類など
葉酸(プテロイルグルタミン酸)
葉酸の特徴と働き
・水溶性、ビタミンBc、ビタミンB9、ビタミンMとも呼ばれた
・タンパク質の代謝に不可欠
・赤血球をつくるのに不可欠
・体が糖とアミノ酸を使うのに重要
・核酸(DNA,RNA)を作るのに重要
・室温で長期間置くと壊れる
葉酸の効果と摂取
・異常出産を防止し、母乳の出をよくする
・寄生虫や食中毒から守る
・鎮静剤としての役目、貧血を防ぎ、口腔内の潰瘍を予防する
葉酸を摂取してはいけない人
・貧血気味の人、過剰摂取で悪性の貧血を隠し悪化させてしまう
・痙攣の病歴者は、長期の過剰摂取を避ける
・ホルモン系のガン患者は、長期の過剰摂取を避ける
・抗てんかん剤(フェニトイン:製品名アレビアチン他)の服用者は厳禁
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
・毒性はないが、ビタミンB12の欠乏を隠すため、悪性貧血の可能性がある
・葉酸過敏症として発熱、じんま疹、紅斑、かゆみ、呼吸器障害を起こす可能性
不足の症状(欠乏症)
・悪性貧血(巨赤芽球性貧血/赤血球の寿命が短くなる)
推奨摂取量
・成人男性の場合240μg/1日(1000μg=1mg、1000mg=1g)
・成人女性の場合240μg/1日
・妊娠前中後は400μg
葉酸を多くむ食品
鶏レバー生1300μg/100g、あまのり1900μg/100g、なばな生340μg/100g、枝豆260μg/100g、アスパラガス190μg/100g、玉露(浸出液)150μg/100g、緑黄色野菜など
ビオチン(ビタミンH、ビタミンB7、補酵素R)
ビオチンの特徴と働き
・水溶性で硫黄を含む、Bコンプレックスの仲間
・糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠
・ビタミンCを作るときに必要
・腸内細菌によって作られる
・生の卵は吸収を阻害する
・ビタミンB2、B6、ナイアシン、ビタミンAと協働で皮膚の免疫を高める
ビオチンの効果と摂取
・ハゲの予防と治療の補助
・筋肉痛を和らげる
・湿疹、皮膚炎の症状を緩和する
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
特になし
不足の症状(欠乏症)
腸内細菌で合成されるので欠乏があまり起こらない。
しかし生卵を多く食べたり、抗生物質を使用したりした場合、腸内合成が阻害されることがある。その場合、湿疹、脱毛、神経炎、血糖値上昇、結膜炎などが起こる。
推奨摂取量
・成人男性の場合45μg/1日(1000μg=1mg、1000mg=1g)
・成人女性の場合45μg/1日
・妊娠中は47μg、授乳時は49μg
ビオチンを多くむ食品
レバー、イワシ、落花生、大豆、牛乳、ビール酵母など様々な食品に含まれる
ビタミンC(アスコルビン酸、セビタミン酸)
ビタミンCの特徴と働き
・水溶性で強力な抗酸化力をもつ、悪玉コレステロールの酸化を防ぐ
・コラーゲンの生成には不可欠で、骨、軟骨、血管、歯などを構成する
・鉄の吸収を助け、壊血病を予防する
・ストレス、喫煙、高齢者は多量に必要とする
ビタミンCの効果と摂取
・傷の治りを早め、肌にハリをつくる
・骨のカルシウム吸収力をあげ、丈夫な骨をつくる
・血管壁を丈夫にし、柔軟性をもたせる
・免疫力をあげ、発癌性物質から細胞を守る
・静脈中の血栓を予防する、高血圧をさげる
・アレルギー物質の効果を弱める
・細胞の若々しさを保ち、細胞の寿命を延ばす
・メラニンの生成を抑え、色素沈着を防ぐ
・副腎皮質ホルモンの合成を促進し、抗ストレス作用を高める
・血中コレステロール値を低下させる
・風や病気の予防、感染症への抵抗力向上、など
ビタミンCを摂取してはいけない人
・糖尿病や心臓病の患者は医師に相談(投薬量を減らす必要がある)
・抗凝血剤(ワルファリンカリウム:製品名ワーファリン)の服用者
・尿検査や便検査のある人(誤ったネガティブ結果がでる)
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
特にないが、尿酸結石を形成する原因になることもある。それはマグネシウム、ビタミンB6、水分をとっていれば防げる、ビタミンB12と葉酸を排出する
不足の症状(欠乏症)
骨や関節が弱くなる、関節痛、傷の治りが遅くなる、免疫が下がり病気への抵抗力が弱まる、肌にハリがなくなる、シワが増える、壊血病など
推奨摂取量
・成人男性の場合100mg/1日(1000mg=1g)
・成人女性の場合100mg/1日
・妊娠中は110mg、授乳時は150mg
・放射線治療やガンの化学療法を受けている患者は控えること
ビタミンCを多くむ食品
柑橘類(グレープフルーツ36mg/100g、ネーブル60mg/100gなど)、緑黄色野菜(赤ピーマン170mg/100g、カブ菜82mg/100g、なばな130mg/100gなど)、緑茶など
ビタミンD
(カルシフェロール、ビオステロール、エルゴステロール)
ビタミンDの特徴と働き
・脂溶性で、皮膚によって紫外線から作られる
・経口摂取した場合は脂質と一緒に小腸から吸収される
・カルシウムとリンの吸収を助けるため、骨の形成には重要な役割
・太陽に当たらないとビタミンDは不足する
・日焼けしてしまうと、皮膚からの合成が停止する
ビタミンDの効果と摂取
・丈夫な骨や歯をつくる
・ビタミンAの吸収を助ける
・ビタミンA、ビタミンCと一緒にとると、風の予防力を高める
・結膜炎の治療など
ビタミンDを摂取してはいけない人
・心臓に障害がある人は医師に相談し、適切な摂取量の指示をうける
・心臓病薬(シゴキシン)服用者は厳禁
・ペットには与えない
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
1日500μgを長期に摂取した場合は毒性がある。子供の場合45μg以上が危険
毒性の徴候は、目が痛む、皮膚のかゆみ、吐き気、下痢など。その他、血管、肝臓、肺、胃へのカルシウム沈着が起こる
不足の症状(欠乏症)
骨粗鬆症、骨軟化症、ひどい虫歯など
推奨摂取量
・成人男性の場合5μg/1日(1000μg=1mg、1000mg=1g)
・成人女性の場合5μg/1日
・妊娠中は7.5μg
ビタミンDを多くむ食品
きくらげ(乾)435μg/100g、かわはぎ(生)43μg/100g、紅鮭33μg/100g、さんま18μg/100g、魚の肝油など
ビタミンE(トコフェロール)
ビタミンEの特徴と働き
・脂溶性で貯蔵できる(肝臓、脂肪、筋肉、睾丸、子宮、血液、副腎、脳下垂体など)
・貯蔵は短時間しかできず。7割は便で排出される
・ビタミンAとC、不飽和脂肪酸、セレン、システイン、メチオニンの酸化を防ぐ
・ビタミンAの活性を高める
・トコフェロールは8つの種類がある(アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ・・・)
・セレンをビタミンEの4分の1組み合わせることで、効果を高める
・高血圧の人は注意が必要<ビタミン・ミネラルを摂取してはいけない人>
・インスリン量が減る
ビタミンEの効果と摂取
・筋肉の硬直や足の痙攣を緩和する
・体の酸化を遅らせ、疲労を軽減する
・脳や細胞への酸素供給量を増やし、耐久力を向上させる
・ビタミンAと協働で環境汚染物質から肺を守る
・悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、血栓を予防・溶解する
・傷の治りを早め、深い傷あとが残るのを防ぐ
・虚血性心臓病と脳卒中のリスクを軽減する
・アルツハイマー病のリスクを軽減する
ビタミンEを摂取してはいけない人
・甲状腺機能亢進症・糖尿病の人は少量から摂取する
・リウマチ性心臓病の患者は、過剰摂取で左右房のインバランスを悪化させる
・高血圧の人の血圧をあげる、少量から始めて徐々に増やせば問題ない
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
特になし
不足の症状(欠乏症)
筋肉の硬直や退行変性、治癒力の低下、肩こり、腰痛、貧血、赤血球の破壊、生理不順、生殖機能障害など、また活性酸素が増えることから動脈硬化が促進される
推奨摂取量
・成人男性:8~9mg/1日(1000mg=1g)
・成人女性:8mg/1日(授乳婦は11mg)
・手術の前後2週間は摂取しない(血液が固まりにくいため)
・水道水、ホルモン剤をとっている方は、多めに必要
ビタミンEを多くむ食品
ひまわり油38.7mg/100g、アーモンド29.4mg/100g、大豆、ナッツなど
ビタミンK(メナジオン)
ビタミンKの特徴と働き
・脂溶性で3種類ある。
・緑黄色野菜や海草からとれるK1、腸内で合成されるK2、人工的なK3
・血液凝固物質のプロトロンビンの形成に不可欠
・血液サラサラ剤(ワーファリン)は、効果や吸収を阻害するし
ビタミンKの効果と摂取
・体内出血を軽減・防止する
ビタミンKを摂取してはいけない人
・血液サラサラ剤(ワーファリン)は、反対に大量に必要(吸収阻害する)
過剰摂取の症状・毒性など(過剰症)
血液凝固剤の効果を低下させる、赤血球を壊し貧血を招く
不足の症状(欠乏症)
出血が止まりにくくなる、骨が脆くなる、脂肪性下痢や便秘、大腸炎など
推奨摂取量
・成人男性:75μg/1日(1000μg=1mg、1000mg=1g)
・成人女性:60~65μg/1日
・通常は食事で充分摂取できる
・抗血液凝固剤を服用している方は摂取を控える
・継続的に抗生物質を服用している方は欠乏リスクがある
監修:管理栄養士 山本亜由美
ビタミンにはそれぞれの特徴や働きがあり、不足している栄養素を補う意識を持つことはとても大切です。しかしビタミン不足は自身で自覚することは難しく、その不足を調べるには詳しい検査が必要となります。
自覚症状から不足しているビタミンを探したい、という考えもあるかと思います。ただし自覚症状で考えると不足している栄養素が複数あることが多く、どの栄養素なのか絞ることが難しくなります。
症状と不足しているビタミン
【肌あれ】
ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC
【疲労感】
ビタミンB1、パントテン酸
【免疫低下】
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンC
各症状が気になる場合は、不足する栄養素を摂取しましょう。またビタミンは、それぞれ補い合って働くという特徴があります。例として、ビタミンB群はビタミンB群として摂取した方が体内での働きが良く、ビタミンCはビタミンA・ビタミンEと一緒に摂ることで相乗効果が期待できるといわれています。
「どの栄養素が不足しているのか」も大切ですが、ビタミンを過不足なく摂取することが肝要です。単一のビタミンに偏らず、健康の維持にはビタミンをバランス良く摂取するように意識しましょう。
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