骨折は食事で治癒期間が変わります!
骨折部分は激しい細胞分裂をするため、栄養を大量に必要とします。それにしっかり応えることで、治癒期間が短縮できるのです。
特に20歳を超えると、どんどん治癒期間が長くなるため、骨折時の食事はとても大切です。
目次
◆骨折と食事のたいせつな関係!
骨は、毎日古い細胞が分解され、新しい細胞が作られます。これを「骨新生」または「骨代謝」といいます。「破骨(はこつ)細胞」が骨を分解して、「骨芽(こつが)細胞」がコラーゲンの合成します。それにカルシウム(ハイドロキシアパタイト)が付着することで、骨が作られます。
骨折したときは、その骨代謝が盛んに行われます。そのとき食事の栄養バランスが悪く、必要な栄養素が不足すると、骨代謝が充分に行われません。反対に栄養がしっかりとれていれば、骨代謝が好循環して治癒期間を短縮することが可能なのです。骨折時の食事は、通常時よりも大切なのです。
◆骨折時の食事に必要な6つの栄養素!
骨折しているときに食事でとりたい栄養素は、2つに分類された6種類があります。骨タンパク質であるⅠ型コラーゲン(ファイバープロテインの一種)の合成を助ける栄養と、カルシウムの吸収を助ける栄養素です。
コラーゲンの合成成分 | カルシウム吸収成分 |
●コラーゲン ●ビタミンC | ●カルシウム ●ビタミンD ●ビタミンK ●マグネシウム |
●コラーゲンの合成に必要な栄養素
コラーゲンを合成力を高めるには、コラーゲンを食べるのがもっとも優れているとされています。食べたコラーゲンは、アミノ酸やペプチドまで分解され、小腸で吸収された後、体内で再合成されます。この時ビタミンCの存在が欠かせません。
全てが再合成されるわけではありませんが、コラーゲンの分解物はコラーゲンになりやすいとされています。
【コラーゲン】
○鶏胸軟骨4000mg ○鶏手羽元1990mg ○牛スジ4980mg ○豚白もつ3080mg ○フカヒレ9920mg ○うなぎ蒲焼5530mg ○鮭皮付き2410mg ○さんま皮付き1820mgなど(100g中)詳しくはコラーゲンの多い食品一覧をご覧下さい。
【ビタミンC】
コラーゲンの合成を行います。
○赤ピーマン170mg ○黄ピーマン150mg ○アセロラジュース120mg ○パセリ120mg ○レモン100mg ○青ピーマン76mgなど(100g中)詳しくはビタミンCの多い食品一覧をご覧下さい。
●カルシウムの吸収を助ける栄養素
【カルシウム】
○牛乳コップ1杯分(200cc):220mg ○チーズ1キレ(30グラム):140mg ○ヨーグルト1カップ(100cc):120mg ○大根(50グラム):50mg ○小松菜(100グラム):160mg |
○モロヘイヤ(50グラム):130mg ○ししゃも1匹(50グラム):160mg ○ワカサギ1匹(60グラム):270mg ○いわし1匹(50グラム):290mg ○しらす1皿(20グラム):40mg |
注意!牛乳の飲みすぎにはご注意ください!「牛乳の飲みすぎの危険性はこちら」
【ビタミンD】
ビタミンDは、カルシウムの吸収と骨代謝を助けます。また太陽を浴びることで合成が促進されます。
○かつお塩辛120μg ○あんきも110μg ○くろかじき38μg ○鮭32μg(100g中)
【ビタミンK】
ビタミンKは、骨にカルシウムを定着させます。
○ひきわり納豆930mg ○納豆600mg ○パセリ850mg ○しそ690mg(100g中)
【マグネシウム】
「カルシウム2:マグネシウム1」マグネシウム量の2倍が、カルシウム吸収量の上限です。
○納豆 ○海草 ○ナッツ類 ○ゴマなど
◆骨折の食事レシピ大公開!
骨折の食事!総合グランプリ「和定食」 |
- 玄米ごはん(玄米率1~2割)
- 焼き魚1匹(鮭皮付き、秋刀魚など)+大根おろし+柑橘添え
- 青菜味噌汁(カブ菜、大根菜、海藻など)
- 納豆1パック、漬物適量
- その他
骨折の食事!準グランプリ「チキン玄米グラタン」 |
- 鶏肉(手羽ほぐし):200g
- チーズ:適量
- 玄米:80g(炊き上がり)
- ホワイトソース:300g
- その他
骨折の食事!準グランプリ「青菜牛スジ塩煮込み」 |
- 牛スジ:300g
- 大根:200g
- 青菜:100g
- にんにく:3~4粒
- 出汁:2パック
- 塩:少々
食品に含まれるコラーゲンの量は「スポーツ障害を激減させるコラーゲンの多い食品一覧」でご確認できます。
骨折の食事!準グランプリ「うな重&きも吸い」 |
- うなぎの蒲焼:1匹
- たまご:1個
- しそ葉:2枚ほど
- ごはん:適量
- 酒:大さじ1
うなぎの肝吸い(2人分)
- 出汁:400cc
- 白だし:大さじ半分
- うなぎの肝:25g
- 下茹で用酒:大さじ半分
- 三つ葉:適量
骨折の食事!準グランプリ「青菜納豆汁」 |
- 納豆:1パック
- 青菜:適量
- ネギ:適量
- 味噌:大さじ1
- だし:500cc
- 醤油:適量
骨折の食事!準グランプリ「ヨーグルト漬け手羽元煮」 |
◆骨折の食事で気をつけること!
◆年齢によってコラーゲン合成量が変わる!
骨折の食事では、コラーゲンの摂取が大切といいましたが、その合成量は年齢とともに低下していきます。骨が弱くなる大きな原因がカルシウムを抱え込む骨タンパク質であるコラーゲン生成量の減少です。
60歳のコラーゲン合成量は、20歳の約半分になります。そのため年齢に応じて多めの摂取を心がけてください。
◆コラーゲン食品は資質が多い!
骨折時の食事でコラーゲンをとるときは問題点があります。それはコラーゲンを多く含む動物性食品は資質が多いということです。たくさん食べるときは気をつけましょう。骨折で運動できないため、中性脂肪がつきやすい状態のはずですので、できれば脂質ゼロのコラーゲンサプリメントを併用するといいでしょう。
◆毎日食べる!
骨折時の食事レシピで、コラーゲン合成を活性化させても、一日の合成量には限界があります。つまり食べタメはできません。毎日の食事で取り入れてください。
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私は51歳男、現場作業をしてます。持病持ちで昨年の5月より、プレドニン5gお、一年間服用してて、2016.05.22に左足指.2.3.4.と、3本折れ、まだ完治せず、あせてます。
指の腫れが引かず。。。足がまだ全体に腫れて
治す方法をアドバイスもらえないですか。
ご質問ありがとうございました。
ここでは、具体的な治療方法をアドバイスすることはできません。かかりつけの医師がおられると思いますので、その医師にアドバイスを求めることをオススメします。
ここで言えることは、骨の癒着には骨タンパク質が重要であるという点です。51歳という年齢で、もし肉体労働で過労ぎみであったとしたら、骨タンパク質が極端に不足していることも考えられます。腫れや炎症は時間がかかっても消失していくと思われます。長引くようなら別の病院で原因を確認しては如何でしょうか?複雑骨折や複合骨折の場合は、外傷性の影響がある場合があります。ばい菌やウィルスなどの患部感染です。
ご自身でできることは、バランスの取れた栄養摂取と休息、適度な運動と患部付近の血流改善です。
期待に沿えない回答かもしれませんが、参考にしていただけたら幸いです。