歯の磨き方で「運動機能」が変わります。
磨き残した歯垢(細菌)は、扁桃腺を炎症させ鼻づまりを起こし、口呼吸へと変えてしまいます。「病気の7割は歯磨きで予防できる!」という医師もおり、歯みがきと免疫や病気との因果関係も分かっています。
しっかり歯みがきをしたつもりでも、歯垢の8割は除去できていないといいます。スポーツと歯磨きは一見無関係に思えますが、正しい歯磨きを身につけることで、コンディションを引き上げることができます。
目次
歯垢や歯石が原因の病気たち!
歯垢(しこう/プラーク)とはネバネバした塊で、その歯垢が「虫歯」の原因になり、歯を脆くしたり、歯が痛いという症状を引き起こしたりします。歯石は「歯周病(ししゅうびょう)」の原因になり、歯周病は歯茎を腫れさせたり、アゴの骨を破壊したりする病気で、口腔内の炎症を引き起こします。その毒素は口腔内だけでなく、血液を通じて全身に回り多くの病気の原因になります。
また心臓病、脳炎、骨粗しょう症、子宮炎、腎炎、関節炎などの原因にもなり、慢性的な体調不良や免疫低下、疲労回復の遅れやパフォーマンス低下につながります。40歳以上の8割に歯周病の疑いがあります。
口呼吸と鼻づまりの関係
口呼吸をしていると、唾液が乾いてしまい唾液に含まれている殺菌作用、自浄作用が低下します。その結果、口腔内の環境は悪くなり、汚れが残りやすくなります。
さらに磨き方が悪いと歯垢が増え、喉の奥にある扁桃を腫らします。その炎症が同じ免疫系である鼻腔にも及び、鼻孔をふさいでしまいます。鼻呼吸がしにくくなるとおのずと口呼吸を継続するようになり悪循環となってしまいます。
慢性的な鼻づまりは「奇跡は一晩で起きた!慢性的な鼻づまりの原因の解消方法」がお役に立ちます。
歯みがきで治せる鼻づまり
鼻づまり(鼻閉)には3つのタイプがあります。①機能的鼻づまり、②構造的鼻づまり、③器質的鼻づまりです。このうち歯みがきで治せる鼻づまりは①の炎症などで鼻粘膜が腫れる機能的鼻づまりです。
- 機能的鼻づまり:炎症で鼻粘膜が腫れるもの/アレルギー性鼻炎、風邪、副鼻腔炎
- 構造的鼻づまり:鼻の骨や軟骨の構造によるもの/鼻中隔湾曲症、外鼻変形
- 器質的鼻づまり:鼻腔内に腫瘍やポリープがあるもの
- その他の鼻づまり:寒暖差アレルギー、排気ガスやタバコの煙など
なぜ口呼吸で運動機能が低下するのか?
口は呼吸器ではありません。鼻に備わっている様々な機能が口にはありません。そのため口から入った空気は、細菌やウィルスを肺に直接運んでしまい、大量の免疫細胞が使われます。また温度や湿度を調整することなく、外気が肺に流れ込み体調を崩しやすくします。反対に鼻呼吸による優れた呼吸器機能は6つです。
- 鼻粘膜による空気清浄機の機能で細菌やウィルスを除去
- 吸った空気を加温・加湿する機能
- 吐く息を冷却・除湿して体温や水分を維持する
- ウィルスや細菌の毒性を弱める機能
- 気道抵抗による体幹トレーニング効果
- 常に片方をメンテナンスしている鼻サイクル機能
歯垢を徹底的に除去する歯の磨き方!
磨き方次第で、歯垢(歯周病菌)の量は大きく変わります。
準備するもの
歯磨き粉 | 歯科院で販売している研磨剤なしの殺菌作用のあるものを選びます。研磨剤が含まれているものは、強く磨くとエナメル質が削られ、知覚過敏になります。(例)ウェルテックジェルコートF、リペリオ歯肉退縮用、サンスターバトラーCHXペーストなど |
歯ブラシ | 毛先が歯周ポケットに入り、歯肉を傷つけないものを選びます。ヘッドが小さい、柔らかめ、毛先が丸い、毛が細く束の多い、毛にコシを選びましょう。 |
ワンタフトブラシ | 普通の歯ブラシでは磨ききれない孤立歯、てい出歯、歯並びの悪い叢生部(そうせいぶ)を磨く道具です。 |
デンタルフロス | 絹糸や合成繊維を用いた歯間の歯垢をとるのに最適な道具です。糸ようじともいわれます。 |
歯間ブラシ | 歯のすき間を磨くブラシで、1日1回の使用を心がけましょう。特に歯にすき間がある方はオススメです。 |
その他 | 磨き残しを確認するための「歯垢染色液」や「デンタルミラー」、ブリッジの中にフロスを通す「フロススレッダー」、洗口液などがあればご用意ください。 |
歯みがきのタイミング
歯みがきの目的はプラークコントロール(歯垢除去)です。食べ残しをとることではありません。回数は基本的に1日3回です。圧を強くかけて磨くと、エナメル質表面に傷がついて歯垢が付着しやすくなり、歯自体が脆くなることがあります。
正しい歯の磨き方!
歯磨きの目的は、食べカスを取ることではありません。歯周ポケットや歯間に溜まった歯垢(プラーク)を取り除くことです。しかし歯垢を完全に除去することは大変難しく、定期的に歯科医院での専門的なクリーニングをされることが大切です。
歯ブラシの当て方①
一本ずつ磨いていくイメージで、外側から垂直5往復、歯と歯茎の境目を斜めに当て5往復。
歯ブラシの当て方②
歯の裏側も1本ずつ磨くイメージです。各5往復を目安に磨きましょう。歯ブラシを歯に当てる強さは100~150gが良いとされています。歯ブラシを計りに当てて計ってみましょう。
歯を磨く順番は?
磨く順番は、特に決まりはありません。しかし磨き残しをしないために、ご自分のルーティンを作っておきましょう。分からない方は右図を参考にしてください。
歯は一本一本丁寧に磨いていきます。それでも歯垢は残ってしまします。そのため1日1回(夜)は、歯間ブラシなどを使って歯垢を取り除いてください。はじめて「歯みがきサポート」をされる方は、あまりの歯垢の量に驚くのではないでしょうか。
口臭の主な原因も、この磨き残しの歯垢です!
歯みがきのサポート!
歯ブラシだけでは、歯垢の除去に限界があります。特に奥歯回りの歯周ポケットや歯間には、デンタルフロスや歯間ブラシが最適です。
デンタルフロス(糸ようじ)
念入りに歯を磨いても、歯ブラシでは届かないところがたくさんあります。面積的にもかなりの部分を占めている歯間や歯茎のつけ根の溝は、磨き残しが非常に多いので、こまめなサポートが必要です。
できれば1日1回、最低でも1週間に2~3回は行ってください。
歯間ブラシ
奥歯の歯周ポケットなど、磨き残しが多い場所に活躍します。毛先が軟らかく小さい歯間ブラシがおすすめです。歯間の歯垢をしっかり取ってくれます。またデンタルフロスが入りづらいところでも大活躍します。
歯の磨き方が悪いとパフォーマンスは低下します!
歯みがきでスポーツ・パフォーマンスが大きく変わります。反対に歯の磨き方が悪いと、慢性疲労を起こして体調を害することがあります。「鼻呼吸」はスポーツ選手にとって必須条件なのです!
- 歯垢が扁桃の炎症原因になり、鼻腔を腫らして「鼻呼吸」を阻害する!
- 口呼吸が常習化すると、免疫力の下がると疲労回復力や治癒力が低下する。
- 血中酸素量が上がらず、持久力や瞬発力、判断力などの脳機能が低下する。
*参考文献:「口呼吸は治る」歯科医師梅田龍弘著(自由国民社)、「健康は「呼吸」で決まる」西原克成著(実業之日本社)、「「口呼吸」をやめれば若くなる!」西原克成著(青春出版社)
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