頭痛の原因は様々ですが、その多くに血管や神経が関わっています。筋膜は筋肉だけでなく、血管や神経も圧迫するため、頭痛の解消には、筋膜の正常化が大切になります。筋膜のトラブルを解消して正常化する筋膜リリース法は、1日5分間行うだけで大きな結果を得られる方法です。
頭痛の原因!
頭痛の2つの原因
頭痛は「器質性頭痛」と「機能性頭痛」の2種類があります。器質性頭痛は、病気を原因とする頭痛で二次性頭痛ともいいます。頭痛全体の数パーセントほどで、筋膜リリースの対象外になります。
機能性頭痛は、病気をともなわない頭痛で片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあり、一次頭痛または慢性頭痛ともいわれます。筋膜リリースで解消する頭痛は、このタイプで全体の9割以上を占めます。
機能性頭痛の特徴
片頭痛の特徴
こめかみから目にかけてズキズキと痛む片頭痛は、脳内血管が拡張することで神経を圧迫し、炎症を起こすことが原因とされます。症状は吐き気、過敏症などがあります。一般的な対処として、血管を収縮させるためにアイシングや、興奮する食品を控えるなどがとられます。
緊張型頭痛の特徴
頭痛の中でもっとも多い原因で、肩や首、背中のコリによる筋膜の緊張によって発生します。コリの要因として、デスクワーク、精神的なストレス、座りっぱなしなどがあります。このタイプの頭痛は、筋膜リリースがもっとの効果を上げる頭痛です。
群発頭痛の特徴
眼の奥がえぐられるような激しい痛みが起こります。この原因は目の奥の血管が拡張することで起きる炎症です。このタイプの対処法は、医師による純酸素吸入法と薬物療法です。
頭痛対策の落とし穴
いずれのタイプの頭痛でも、血管と神経が大きく関わっています。患部だけを中心に治療をするのではなく、身体全体を捉えることも大切です。筋膜は全身がつながっており、少なからず自律神経や血管、脳内ホルモンに影響を与えています。
頭痛をとりまく筋膜群
頭は体重の10%の重さがあり、それを支える筋肉には、継続的に負担かかかっています。特に姿勢の悪い方は、慢性的に筋膜硬縮が起こっていると推測されます。
頭には様々な筋肉が集まっていて、それらの筋膜が密接につながっています。そのため頭痛を引き起こしている筋膜を判断するのが難しく、メインとなる筋膜を中心に、全体をリリースする必要があります。
頭痛を解決する筋膜リリース法
頭の支える筋膜を全体的にリリースするのが理想ですが、時間がない場合は、頭痛解消の基本である「背中上部」ならびに「首背面」のリリースを行いましょう。
背中上部の筋膜
悪い姿勢による頭痛は、肩が前にでて肩甲骨が開き、垂れた頭を支える僧帽筋周辺の筋膜に硬縮が起こります。
僧帽筋周辺の筋膜をリリースする!
左腕を背中にまわし、頭を右に傾け左首筋を伸ばします。伸ばした僧帽筋を右手の指全体を使って押していきます。1ヶ所10秒を目安に、僧帽筋周辺をリリースします。
反対側も同様に行います。
首背面の筋膜
悪い姿勢による筋膜硬縮は他にもあります。重い頭を首背面で必死に支える頭板状筋(とうばんじょうきん)です。
頭板状筋の筋膜をリリースする!
左手で頭を左斜め下に傾けます。右手の指全体を使い、頭と首の付け根のくぼんだ部分から首の骨に沿ってリリースしていきます。1ヶ所10秒を目安に反対側も行います。
こめかみズキズキ!側頭部の痛み
側頭部の筋膜は、薄くゆがみにくい部分です。しかし首周辺の筋膜と密接につながっているため、ほかの筋膜のゆがみが影響することがあります。
側頭筋の筋膜をリリースする!
親指をこめかみに軽く押しあて、揉みほぐします。あまり強く押すと筋膜が損傷して逆効果になります。
後頭部が痛むときの筋膜リリース
後頭部の痛みは、頭半棘筋に筋膜トラブルの疑いがあり、周辺の僧帽筋や頭板状筋などの筋膜の影響も受けます。
頭半棘筋の筋膜をリリースする!
あお向けになりヒザを立てます。首の後にポールをあて、首を左右に振ったり、アゴを上下に動かしたります。気持ちよく感じる部分を中心に、10秒ずつキープします。
また頭と首の境目の中心に、両指先を立て、頭を割り開くイメージで力を加えていきます。
眼精疲労の痛み!
眼精疲労は、パソコンやスマホの影響で増え続けています。眼の奥から痛みがある人は、眼のまわりにある眼輪筋を中心にリリースしましょう。ここがリラックスすると、動体視力や視界の拡大、脳の活性化にもつながります。
眼輪筋の筋膜をリリースする!
眼のまわりの骨に沿って、親指を押しあてていきます。頭板状筋や頭半棘筋とセットで行うと、より効果的です。
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頭痛を解消する筋膜リリースのまとめ
頭痛の多くは、頭を支える筋肉群の筋膜リリースで解決することができます。その基本は、背中上部と首背面の筋膜です。姿勢の悪い方、パソコンやスマホをよく使う方は、ルーティン化することで慢性化を防ぎます。筋膜の異常は、知らず知らずのうちに、運動機能に大きな影響を与えています。
*注意!頭痛の中には病気をともなうものもあります。その割合はわずかですが、気になる方は病院で診断を受けてください。頭痛を解消する筋膜リリースは、万能ではありません。
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「頭痛と筋膜のゆがみ!その解決法」に対する5件のコメント