筋膜リリースは、筋肉のコンディション、体調健康管理、疲労回復に効果を発揮します。運動する方だけでなく、運動不足の方にも役に立ちます。もしも慢性的な筋肉疲労・腰痛・ひざ痛・肩コリ・肉離れ・自律神経の乱れ・関節痛の方は、ぜひ実践してもらいたいです。1日たったの5分でも違いがでてきます。
目次
筋膜リリースとは?
筋膜とは?
「筋膜」は筋肉を包んでいるコラーゲン線維の薄い膜です。細い筋線維から筋肉組織まで各層に存在します。他にも血管・神経・骨・じん帯・腱・内臓など、あらゆる器官に筋膜があります。
筋膜は「第二の骨格」ともいわれ、ボディースーツができるとされるほど、人体のカタチをデザインしています。
筋膜トラブル
筋肉が伸縮するたびに、筋膜との間に摩擦が生じます。摩擦が多くなれば、炎症や歪みが起こり、筋トラブルを起こします。
筋膜には、多くの血管や神経が通っているため、それらを圧迫し末端細胞への酸素量低下、神経痛、しびれの原因になります。
また筋膜は全身つながっているので、一部の歪みが全身に影響を与えることがあります。肩こりや腰痛などの原因になります。
筋膜トラブルで起こること
筋膜トラブル(筋膜の硬縮・癒着・ゆがみ・捻じれ・炎症・損傷など)は、様々な症状の原因になります。
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- 血液やリンパの流れが悪化
- 関節の可動域が減少、関節痛の原因に
- 骨格のゆがみ、姿勢や重心バランスの崩れ
- 内臓降下、内臓機能やコンディションが悪化
- 自律神経が乱れ、精神不安や失調症の原因に
- 新陳代謝が低下、メタボなどの原因に
- 疲労回復の遅れ、ケガの治癒遅れ
- 免疫力低下、病気になりやすく治りにくいなど
筋膜トラブルの原因
筋肉と筋膜の摩擦が少なく、スムーズに動いていれば、筋膜トラブルは発生しません。その原因は「酷使」「筋膜硬化」「筋膜水分量低下」などによる過剰な摩擦です。それを支える筋膜の柔軟性の低下には、下記のような原因があります。
筋膜の柔軟性低下3つの原因
筋膜は伸縮性や弾力性に優れている反面、下記の原因によって硬縮して機能が低下します。これはコラーゲンの性質によります。
1、酷使と運動不足
筋膜を構成するコラーゲンは、使い過ぎても使わなくても、硬く縮んでしまいます。激しい運動のほか、長時間同じ姿勢を続けることも酷使になり、筋膜の硬縮の原因になります。
また運動不足で筋膜を動かさないと、血流量が低下して様々な機能低下が起こります。
2、活性酸素
コラーゲン線維は、活性酸素に弱いという特徴もあります。筋肉の酷使、喫煙、化学物質、紫外線、暴飲暴食、ストレスなどで増加する活性酸素が、コラーゲンを劣化させ、線維の硬縮を引き起こします。
3、年齢による代謝低下
筋膜のゆがみは、歳を重ねるほど増える傾向にあり、子供のころにはなかった痛みやコリが起こるようになります。
筋膜がコラーゲン線維で造られている以上、加齢によるコラーゲン産生量の減少と劣化は避けられません。20歳代中ごろから低下するコラーゲン代謝が、筋膜の障害が多くなる要因です。
筋膜リリースのやり方
2つのポイント
効果的に行うには「押して」「伸ばす」がポイントになります。筋肉を伸ばすというよりは面を伸ばすイメージで、指圧などのピンポイントで押すのではなく、広い面で押すことが必要です。
筋膜リリースはマッサージやストレッチと違い、筋肉や腱などではなく、筋膜へのアプローチです。
3大効果とは?
筋膜のゆがみを修正することで、様々な改善が期待されます。
①あるべき姿に戻す!
腰のくびれなどのボディラインに変化が現れます。これは内臓や骨などが本来の位置に戻ることによります。身体のゆがみが解消され、血液や体液の流れがスムーズになり、代謝効率があがります。
②血流を改善する
筋膜がゆがみは、血管を圧迫して虚血を起こします。疲労やケガの回復の遅れ、冷えやむくみ、便秘や代謝不良などの原因になります。筋膜リリースで血流を改善することで、それらの症状が緩和します。
③自律神経を正常化し免疫をアップする!
筋膜のゆがみは、神経系を圧迫して自律神経を乱れさせます。体調不良や痛みの慢性化の原因にもなります。筋膜リリースは神経を圧迫から解放することで、それらの症状を解消します。
筋膜リリースのプログラム
基本プログラムは、いずれも10秒ほど「押して」「伸ばす」ことを前提に行います。
1、基本プログラム
全身の筋膜はつながっているため、1ヶ所のゆがみは全身に影響します。その中でも特に影響が強い筋膜を、いくつかのグループに分けることができます。
その分け方は、考え方によって異なりますが、ここでは4つのブロックに分けます。
2、痛みやコリに効くプログラム
国民病ともいわれる腰や肩のコリ、時には痛みをともなう症状なども、筋膜の状態が大きく関わっています。また運動による障害の多くも、筋膜が関わっているとされます。これらの症状は、個人差があるため、ご自身のクセを見つけることが大切です。
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3、体調不良に効くプログラム
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症状を悪化させるケース
これらの方法は万能ではありません。症状を悪化させることがあります。内出血を起こしている、炎症が強くなった、または広がった、内臓に疾患がある、痛みが強くなる、医師から運動制限を受けているなどの場合は控えてください。
強く押し過ぎたり、同じところを何度もしたりすることで、炎症が強くなることがあります。体のバランスを整え、各機能を正常化するもので、直接的に病気が治るものでもありません。
筋膜リリース大特集のまとめ
体の痛みや筋肉のコリ、体調不良や運動機能の低下は、筋膜のゆがみが原因になることがあります。筋膜のゆがみはボディバランスを崩し、血液や体液の循環を悪化させ、神経を圧迫し、関節の可動域や運動機能を低下させます。
筋膜リリース法は「押して」「伸ばす」ことで効果を発揮します。その方法や症状や目的別にプログラムされていて、1ヶ所10秒ほどで起こうことができます。筋肉のコリや痛みの解消だけではなく、体調不良の改善、ケガや障害の予防、関節の可動域や競技能力の向上を図ることができます。
<注意事項>
筋肉の痛みやコリ、可動域の減少や疲労回復の遅れなどの症状の原因は、筋膜のゆがみや炎症の他にも、様々なものが考えられます。ここでご紹介した対処法は、何らかの病気や疾患などを伴わず、一般的に健康体といわれる方の慢性的なコリやハリの原因のひとつに、筋膜の影響があることとして示しています。痛みが激しい場合や少しやって心地よくならない場合は、医師に相談してください。
<参考図書>
「NHKガッテン! 「肩」「腰」「ひざ」改善の全身らくらく体操」NHK科学・環境番組部 編集/主婦と生活社「NHKガッテン!」編集班 編集、「1日1分痛みとこりがラクになる筋膜リリース」瀧澤幸一著/マイナビ出版、「つらい傷みから解放させる筋膜リリース・メソッド」瀧澤幸一著/高橋書店、「人体の張力ネットワーク 膜・筋膜―最新知見と治療アプローチ」竹井仁訳/医歯薬出版、「内部機能障害への筋膜マニピュレーション 理論編」Luigi Stecco, Carla Stecco 著/ 竹井 仁訳/医歯薬出版、「筋膜はがしで、肩こり・腰痛が治る!」滝澤幸一監修/マガジンハウスムック、「アナトミー・トレイン 第3版: 徒手運動療法のための筋筋膜経線」板場 英行著/医学書院、「トリガーポイントと筋筋膜療法マニュアル」Dimitrios Kostopoulos, Konstantine Rizopoulos著/ 川喜田 健司翻訳/医療の日本社、
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