筋膜リリース(筋膜はがし)は、筋肉を柔軟に保ち、血管や神経の状態を正常に保つ効果があります。そのためケガの予防や疲労回復だけでなく、肩こりや腰痛の諸症状の改善にも効果を発揮します。その筋膜リリースの効果を高める3つのポイントをご紹介します。
目次
筋膜リリースの効果
筋膜3つの種類
筋膜は筋肉を包んでいる線維状タンパク質の膜で、3つの種類に分けられます。筋線維を1本ずつ包む「筋内膜」、筋線維の束を包む「筋周膜」、筋肉組織を包む「筋外膜」です。筋膜は筋肉の各パーツが、あるべきところに収まるように、筋肉ケースのような役割をしています。もしも筋膜がなければ、全身の筋肉はバラバラになってしまうといわれています。
筋膜の癒着や硬化2つの原因
筋膜損傷の原因
筋膜は運動するたびに、筋肉組織同士がこすりあい摩擦が生じます。過度にこすり合うことで、筋膜の萎縮・癒着・ゆがみが起こります。外圧ダメージにより、破損や損傷を起こすこともあります。筋膜は全身つながっているため、一部の筋膜損傷が周囲の組織に影響します。これは運動不足や姿勢でも起こります。
その筋膜損傷は、肩こり、腰痛、肉離れ、可動域の制限、筋肉硬化の原因になります。また筋肉組織の外側を通る神経や血管を圧迫し、神経障害、精神疾患、末端細胞の血流量の低下を起こします。
筋膜代謝の低下が原因
筋膜は繊維状タンパク質であるⅠ型コラーゲンでできています。コラーゲンは加齢とともに代謝が低下して、硬化やたるみの原因になることが知られています。年齢とともにカラダが硬くなるのは、コラーゲンの代謝が低下し老化架橋*を引き起こすことが原因かもしれません。
*「老化架橋」とは、コラーゲン線維が硬く萎縮する状態のことで、加齢のほか、ストレス、喫煙、運動不足でも、年齢にかかわらず起こりやすくなります。
筋膜リリースの効果
筋膜の萎縮や癒着の解消による効果
筋膜の萎縮や癒着は、神経、血管、筋肉の機能を低下させます。体調不良、可動域の制限、筋肉の硬化、パフォーマンスの低下、疲労感を感じたら、筋膜リリースを行ってみてください。筋膜リリースは即効性があります。各症状ごとの筋膜リリースの効果と方法はこちらをご確認ください。
ダイエットにも効果
ダイエットの効果がでにくい原因のひとつに、筋膜の癒着や萎縮があります。血管やリンパ腺の圧迫により、体液循環が悪化しダイエット効果が低下します。筋膜や筋肉の柔軟性は、エネルギー代謝を高めます。
効果を高める3つのポイント
①カラダを温めて血行を良くする!
温めてからリリース!
身体が冷えた状態での筋膜リリースは、筋膜や筋肉を痛める恐れがあります。特に筋肉に痛みがあるときは、注意が必要です。
フォーミングアップや運動、入浴などで身体を温めてから筋膜リリースを行ってください。筋損傷リスクが低下し筋膜リリース効果がアップします。
損傷患部は「冷やす」「温める」?
ケガを起こした直後などの腫れや炎症、痛みの対処として、アイシングが一般的です。しかし腫れや炎症は免疫反応の一種で、患部に多くの血液やリンパ液を送り込む反応です。ウィルスや細菌の排除、死滅した細胞の排出、酸素や栄養などの修復物質の供給を促進します。
痛みが激しいときはアイシングも必要ですが、痛みが緩和したら温めてください。患部だけよりも全身を温める方がより効果的です。腫れや炎症の詳細は「なぜ炎症や腫れは起こるのか?」で確認できます。
②筋膜の柔軟性の原料補給
筋膜線維とは?
筋膜はコラーゲン線維(ファイバープロテイン)でできています。その特徴が伸縮性と強靭性をつくりだします。しかしコラーゲン線維の特徴が、回復を遅らせる原因になります。詳しくはコラーゲン効果の完全ガイド!でご確認ください。
- 本来の新陳代謝サイクルが長い
- コラーゲン合成に特殊アミノ酸
- 年齢とともに代謝力が低下する
コラーゲン代謝の活性化!
筋膜の修復には、多くのコラーゲンが必要になります。もし原料が不足していれば、回復が遅れることになります。特に注目されるのは、コラーゲンにしか存在しない特殊アミノ酸です。
特殊なアミノ酸とは、Ⅰ型コラーゲンを構成する「ヒドロキシプロリン」や「ヒドロキシリジン」です。体内合成されますが、あまり多く作られません。それを補うためには、コラーゲン摂取が効果的です。
コラーゲンの摂取で、コラーゲンの代謝サイクルが活性化するという報告もされています。さらにコラーゲン合成には、ビタミンCや鉄分が必要です。コラーゲン摂取により体内合成が高まる記事掲載!
③充分な睡眠の確保!
損傷の修復には、成長ホルモンの分泌が重要です。成長ホルモンは、新陳代謝や細胞修復に必須なホルモンです。その効率的な分泌には、バランスのとれた食事と良質で充分な睡眠が必要です。
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