国民病とされる「肩こり」は、大人だけでなく子供にも広がっています。そもそも日本人は、欧米人と比べて背面筋が弱いため、背筋を伸ばした姿勢が維持しにくいのです。
さらにスマホやゲーム、パソコンをする時間が増え、猫背の姿勢が多くなっています。またソファなどで骨盤が後傾する座り方が、さらなる肩こりの原因になっています。
肩こりの原因になる筋肉
前にもたれた頭を支える筋肉「僧帽筋(そうぼうきん)」の筋膜は、長く緊張を続けることで硬縮します。
また背中が丸まると肩甲骨が開き、そこにつながる僧帽筋や菱形筋が引っ張られ続けることで、血流障害を起こします。さらに肩が手前に巻き込まれるために、鎖骨下筋膜や大胸筋膜が萎縮します。これらが肩こりの主な原因です。
肩こりを緩和する3つのエリア
首~肩の筋膜リリース
姿勢の悪さでもっとも影響を受けるのが「僧帽筋」です。頭を前傾したときにつっぱる、背骨両側の筋肉です。
僧帽筋の筋膜をリリースする!
まずは左腕を後ろにまわし、頭を右に傾けて、左首筋を伸ばします。そこを右手の指全体を使って、押していきます。
1ヶ所10秒で少しずつ位置を変え、首筋全体を行います。
胸~鎖骨の筋膜リリース
僧帽筋が張る一方、胸の筋膜が硬く縮みます。僧帽筋をリリースしたあと、必ず胸の筋膜もリリースしましょう。
大胸筋と鎖骨下筋の筋膜をリリースする!
壁の横に立ち、腕を伸ばして壁につきます。もう一方の腕で、テニスボールを鎖骨下の大胸筋上部に押しあて、ゆっくりと転がしていきいます。反対側も同様に行います。
肩甲骨~背骨の筋膜リリース
肩甲骨まわりの筋膜が張ると、背中から肩にかけて強いコリが発生します。その中心となる菱形筋(りょうけいきん)の筋膜は、脊椎と肩甲骨をつなぐ筋肉で、肩甲骨の運動不足や背中を丸めた姿勢が続くと硬縮します。
上の2つの筋膜リリースとあわせて行いましょう。
菱形筋の筋膜をリリースする!
床に座り、タオルポールやストレッチ用ポールを縦におき、左の肩甲骨の内側に沿うように、仰向けになります。
ヒザを立てて、両手でそれぞれ逆側の肩をつかみます。お尻を少し上げ、上半身を左側に捻ります。痛気持ちいいポイントで10秒、さらに捻り角度を変えて10秒間リリースします。反対側も同様に行います。
さらに強い筋膜リリース!
コリが強く上記の方法で改善されない場合は、テニスボールを使ってリリースします。
壁を背にして立ちます。肩甲骨と脊椎の間(菱形筋部)にテニスボールを押しあてます。ヒザの屈伸を利用して、ポイントを変えながら10秒ずつ押しあてていきます。
肩こりの筋膜リリースのまとめ
以上が、肩こりを解消する筋膜リリース法です。慢性化した肩こりやコリが強い場合は、小まめに行い数日から数週間かけて解消していきましょう。早く解消するために、力をかけ過ぎたり、やり過ぎたりすると、反対に炎症を引き起こし長引くこともあります。
毎日の日課として行うことで、肩の凝らない身体を目指しましょう。ある一定期間、筋膜リリースを行っても効果がみられない場合は、別の疾患が隠れていることもあるので、医師に相談してください。
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