バレーボールでのケガを減らす栄養学的アプローチをご紹介します。特に回復力を超えたオーバーユース、年齢による柔軟性や回復力の低下に苦しむ選手ほど効果的です。多くの日本代表選手も採用するスポーツ・ニュートリションです。
目次
スポーツ障害の危険性
バレーボールは身体にとても大きな負荷がかかるスポーツです。あらゆるスポーツ障害のリスクがありますが、多くは関節と靭帯にかかわるジャンパー膝、突き指、捻挫などです。関節系ですね。
選手の多くが1週間以上練習のできないケガを経験しており、中でも強豪チームで活躍する選手ほどケガの発生率が高くなります。また同じケガを繰り返すことが多く、年齢とともに発生率も上昇する特徴があります。
ケガの多い人と少ない人の違い
ケガの原因として、もっとも多いのが次の3つです。分類方法は視点によりさまざま言われますが、ここでは俯瞰的な一般論としてあげています。
- フォームが合っていない
- 関節や筋肉の柔軟性に乏しい
- 日々の回復力が低下している
①フォームがあっていない
従来の全員同じフォームを指導するスタイルは、近年完全に否定されています。プロ野球選手のバッティング、プロゴルファーのスイングなど、1人として同じフォームがないように、10人十色のフォームが存在します。自分にあったフォームは、パフォーマンスが高く、ケガをしにくい特徴があります。
もしも動きがスムーズでなく違和感がたったり、いつも同じ部分にケガをしたりする場合は、フォームに問題があると疑ってみるべきです。
最新のスポーツ科学では、先天的な関節可動と重心軸にいくつかのパターンがあることが分かっています。4つに分類する「4スタンス理論」、2つの分類する「うで体・あし体」など、トッププロも実践するいくつかの理論があるので、ご興味のある方は参考にしてください。
②関節や筋膜の柔軟性に乏しい
関節の柔軟性が低いほど、関節には大きな負荷がかかります。具体的には「靭帯」「腱」「軟骨」「筋膜」などにかかる圧力です。この中でもっとも関節への圧力を吸収してくれる「靭帯」で説明します。
じん帯の特徴
骨と骨をつなぐ「靭帯」は、骨と筋膜をつなぐ「腱」よりも、高い弾力性や柔軟性が求められます。
例えれば、腱が強靭なワイヤーで、靭帯は復元力の高いゴム紐のような感じです。この靭帯の機能性が可動域を広げ、曲げ伸ばしのスムーズ性を高めて、関節の圧力を分散できるのです。
じん帯の柔軟性低下3つの理由
- オーバーユース
- 加齢による低下
- ストレッチ不足
オーバーユース
1日の回復力の限界を超えて酷使すると、靭帯に疲労が蓄積していくことになります。1日のトレーニングや試合などで、靭帯には多くの小傷や成分破壊が起こります。通常は1日で修復しますが、回復の許容をオーバーして酷使を繰り返すと、修復が追い付かず靭帯が脆弱になり負荷に耐えられなくなります。この1日の回復力は、年齢とともに低下する傾向があります。(下記参照)
加齢による低下
じん帯はエラスチンやⅠ型コラーゲンなどの線維状タンパク質で構成されています。エラスチンは弾力性を、コラーゲンは強靭性を担います。
皆さんご承知のように、コラーゲンなどの線維状タンパク質は、20歳ぐらいから体内合成力が落ちてきます。特に20歳代後半から急激に低下することから、身体の硬さが目立ちはじめます。
これはコラーゲンなどの産生量減少で新陳代謝が低下し、靭帯の機能性を維持できないことが原因です。
ストレッチ不足
ウォームアップやクールダウンなど、運動前後のストレッチはとても需要です。靭帯、腱、筋膜などをストレッチすることで、部位の細胞刺激と血流量の増加が起こり、機能性や回復力を高めてくれます。
③日々の回復力が低下している
回復力には個人差があり、トレーニング習慣によっても変化します。しかし共通する原因として、加齢・栄養不足・睡眠不足があります。中でも加齢を改善することはできませんが、栄養と睡眠によってある程度カバーすることができます。
怪我に負けない身体ケア3つの対策
- 回復時間の確保
- 回復促進の栄養補給
- ストレッチ
①回復時間の確保
疲労(靭帯や筋膜などの損傷)を回復させるには、充分な休養が重要です。具体的には睡眠です。損傷を回復させる成長ホルモンは、睡眠中にもっとも分泌されます。
疲れが残っていると感じたときは、回復が完了していないと思って間違いないでしょう。その状態が3日以上つづくと、怪我のリスクが高まります。
②回復促進の栄養補給
回復とは具体的に靭帯や筋膜、腱や軟骨などの線維状タンパク質の修復です。
成長ホルモンによって修復が促進されますが、その時に原料となるのがエラスチンやコラーゲンなどのファイバープロテインです。損傷が大きいほど、通常より多くの原料が必要になります。
回復力が低下している年齢や過労状態では、それらの合成力が低下しているので、補助食品などで補給することをおススメします。ファイバープロテインを経口摂取することで、体内の合成力が増加することが分かっています。
③ストレッチ
①と②は、体内からの回復アプローチとすると、ストレッチは外部からのアプローチになります。外から部位に刺激を与えることで、血流量が増えて修復ホルモンや修復原料が届きやすくなります。入浴などもあ
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