腰まわりには、背骨以外に上体を支える骨がありません。背骨の腰部分(腰椎)の直径は、わずか数センチしかなく、腹筋などの筋肉が腰椎を支えています。
座りっぱなしや同じ姿勢、かたよったカラダの酷使などで、腰椎を支える筋肉の弱さや筋膜が硬縮が、腰痛の原因になります。それを改善・緩和するのが「腰の筋膜リリース」です。
目次
腰痛の原因になる筋肉
正しい腰のカタチ!
正座をすると、坐骨(尻下のとがった骨)が真下を向き骨盤は垂直に立ちます。背骨が軽い湾曲をしながらスーと伸び、少し胸をはった姿勢が正しい腰のカタチです。
腹筋や大腰筋などの腰まわりの筋肉が、バランスがとれたほどよい緊張をします。その理想のカタチを崩すのが、悪い姿勢、背もたれに頼る座り方、長時間の同じ姿勢です。
危険な腰痛!
筋膜リリースによって、症状を悪化させるケースもあります。腰痛の中でも、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの可能性がある場合は、筋膜リリースを行わないでください。
医師に診断してもらい、その指示にしたがってください。筋膜リリースは、日常的な筋膜の硬縮による腰痛を改善、または予防するものですので、すべての腰痛に対して有効ではありません。
腰まわりの筋肉群
骨盤と背骨の安定は、多くの筋肉によって支えられています。それらの筋肉をリリースしていきます。
背骨と両足をつなぐ「大腰筋」は、正しい姿勢や歩き方にもっとも影響を与えるとされています。その他にも骨盤や股関節の動きを支える「腸骨筋」、背骨を支える脊柱背面にある「脊柱起立筋群」、首から仙骨までの「多裂筋」、肋骨下から仙骨にかかる「腰腸肋筋」、主に股関節の外転を支える「中殿筋」などがあります。
腰痛の筋膜リリースの方法!
背骨サイド編
腰背部は、背骨とまわりの筋肉だけで上半身を支えているため、負担が大きく筋膜もゆがみやすい部分です。ここでの方法は、腰痛の筋膜リリースの基本といえます。
【脊柱起立筋群】の筋膜をリリースする!
あお向けになりヒザを立て、タオルポールを尾骨の少し上あたりにセットします。タオルを少しずつ上にあげながら、それぞれ10秒ずつリリースしていきます。
強い痛みがある場合はNGになります。少しずつ体を動かしながら、痛気持ちいいポイントを見つけましょう。
お尻上部編
お尻の横側上部にある中殿筋の筋膜は、脊柱起立筋群の筋膜と強固につながっており、腰痛の解消には重要な筋膜です。腰痛の多くは、この部分が痛むはずなので、念入りに行っていきましょう。
【中殿筋】の筋膜をリリースをする!
左ヒジを床につき、右ヒザを立てます。タオルポールに左の中殿筋をのせます。右足を左ヒザにのせ、身体を左側に傾けると、中殿筋により多くの体重がかかります
左ヒザを上下にに動かしたり、お尻をスライドさせたりして、痛気持ちいいポイントを見つけてください。そこがリリースポイントになります。
前かがみで腰が痛むとき
骨盤のすぐ上の背骨両サイドに多裂筋があります。靴を履くときや床にあるものを拾うときなど、上半身を前傾させると痛むときは、ここの筋膜リリースを行います。
多裂筋は上体が前に倒れないように、背部で引っ張っている筋肉で、限界に達するとギックリ腰になります。特に上体が反った姿勢をしている方は重要なポイントです。
【多裂筋】の筋膜をリリースする!
壁を背にして立ち、多裂筋部分にテニスボールを押しつけます。少し痛気持ちいい部分がリリースポイントになるので、ヒザを屈伸させながら探しましょう。上下数か所と左右で、それぞれ10秒ずつ押しつけます。
この腰痛の予防には、腹筋の強化が重要です。慢性化している方は、腹筋を鍛えて反り姿勢を改善しましょう。
長時間座っていると痛むとき
机やソファ、車の運転などで、骨盤が傾いたまま長時間座っていると、骨盤まわりの筋膜がゆがみ、股関節の動きが悪くなります。大腰筋、腸骨筋、腰腸肋筋、大腿筋膜張筋の筋膜にアプローチします。
【大腰筋・腸骨筋】の筋膜のリリース!
骨盤の前傾や後傾を修正して、座位の痛みを緩和します。床に両手をついて、うつ伏せになります。右脚のつけ根にタオルポールをセットして、左ヒザを大きく曲げます。
右脚のつけ根に体重がのらない場合は、タオルの下に雑誌を置いて高さを調整します。反対側も同様に行います。
【腰腸肋筋】の筋膜のリリース!
壁の前に、斜め横向きに立ちます。テニスボールを骨盤上の斜め後ろ45°あたりに押しあてます。
ボールがあたる部分を前後左右に動かして、痛気持ちいいリリースポイントを探してください。
1ヶ所10秒で、反対側も同様に行います。
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